インタビュー
» 2010年11月22日 08時00分 公開

「ブログ感覚で作れる電子書籍」の快進撃〜「パブー」吉田氏に聞く(前編)(2/4 ページ)

[山口真弘,ITmedia]

ブログなどと違って、高齢者の方の利用が目につく

現在のパブーのサイト。登録されている作品は6200冊を超えている

── そしていよいよ発表となったわけですが、iPadが発売された直後の絶妙なタイミングだったイメージがありますが、これはたまたまだったのですか(iPadの国内販売開始が5月28日、パブーのサービス開始が6月22日)。

吉田 たまたまですね(笑)。最初に企画をスタートする時点では使用される電子書籍端末はKindleを想定していましたが、年明けにAppleが何か出すらしいといううわさが入ってきまして。パブーを作り始めたころに米国でiPadが発売され、日本では4月末に出るらしいという話があって(編注:iPadの国内発売は当初予定の4月下旬から、最終的に5月下旬にずれ込んだ)、それと合わせたタイミングに出したいねといってはいたものの、作り始めの時点ではあまり意識していませんでした。とはいえ、iPadの出るタイミングでリリースできればと考えていたので、最初はサービスインを5月末に予定していたのですが、そのタイミングで出すにはまだ少し粗いところがあり、結果、1カ月ほど遅れてのリリースとなったわけです。

── オ−プンされて5カ月がたちましたが、主にどういった方が利用されているんでしょうか。

吉田 ブログの属性と違うところで目につくのは高齢者の方が多いことですね。ブクログだと利用者の過半数が20代、JUGEMでも10〜20代の女性が7〜8割を占めていたりと、若い女性に使っていただいてるサービスが弊社では非常に多いのに対して、パブーは60〜70代くらいの方にも割と使われていて、本を公開されている方もけっこう目立っています。これまで自費出版を考えていた方が、インターネットで安価な自費出版ができるらしいといううわさを聞いて使っていただいてるのかなといった感じです。いままでわれわれがやってきたWebサービスのユーザー層と違うところから注目いただいている感触はありますね。

── どういったところでパブーの情報を聞いてこられるんでしょうか?

吉田 実は全然分かっていなくてですね(笑)。パブーに限らないのですが、弊社は外部メディアに広告をばんばん打つような露出の戦略は採っていないので、口コミだったりどこかの媒体に取り上げていただいたりというのがメインだとは思います。電子書籍特集をされる雑誌、最近ですと週刊ダイヤモンドさん*で取り上げていただいたので、年齢層が上の方にも知っていただけたというのはあるようですね。

── そうした高齢者に向けたサポートについてはいかがですか。

吉田 ブログ的に作ったのは間口を広げるためだったのですが、ブログ的な作法を知らない方もたくさん増えているようには思います。「どうやって原稿を入稿したらいいんですか」「紙で送ったらいいんですか」といった問い合わせもあったりするので、動画のツアーガイドとかを作った方がいいのかなとは思うのですが、インターネット的なサービスの常識になじんでいない人にどう分かってもらうかというのは試行錯誤ですね。

注釈

週刊ダイヤモンド:ダイヤモンド社の週刊ビジネス誌。2010年10月16日号「電子書籍入門」のコラムでパブーが紹介されている。


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