Amazon.comは、Kindle向けに販売している電子書籍作品のレンタル機能を利用して貸し借りの相手をマッチングするサービスを立ち上げていたLendleに対し、APIの利用を制限した。
米Amazon.comは、同社の電子書籍端末「Kindle」向けに販売している電子書籍作品のレンタル機能を利用して貸し借りの相手をマッチングするサービスを立ち上げていたLendleに対し、APIの利用を制限した。
Amazonは2010年12月、Kindle向けに販売している電子書籍作品にレンタル機能を追加している。一部レンタルできない作品もあるが、Kindleユーザーは購入した電子書籍を14日間貸し出すことができる。貸し出している間は自分が読むことはできない。
Lendleは、貸し借りの相手をマッチングするサービスとして立ち上がったばかり。Amazonが提供しているAPIを利用してLendleサービスのアカウントとKindle用アカウントを同期し、Amazonから貸与可能な電子書籍を購入したユーザーだけにLendleでの借用を許可する仕組みを提供していた。
しかし、Amazonは「Amazon.com上に用意している商品やサービスの販売促進」のためAPIを提供しており、ユーザー間で本が貸し借りされる状況は必ずしもその目的に沿っていないとし、Lendleに厳しい姿勢で臨んでいる。同社はLendleに対しAPIの使用制限だけでなく、アフィリエイトのアカウントも停止したという。
これに対しLendleは、「貸さなければ借りられない。買わなければ貸せない」という基本方針の下、電子書籍の販売導線も用意したサービスであり、電子書籍の販売機会の損失にはつながらないと反論しているが、現時点でAmazonからの返答はない。Lendleと同様のサービスとしては、「Kindle Lending Club」から名称を変えたBookLending.comなども存在するが、幾つかのサイトはLendle同様APIの利用を制限されているようだ。
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