NOOKと電子書籍がBarnes & Nobleの救世主

2010年度の売り上げが70億ドルの大台に達したBarnes & Nobleにだが、同社の電子書籍リーダー技術は長期的に同社を成長させ続けるかもしれない。

» 2011年07月05日 09時34分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
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 米国内最大の書店チェーン、Barnes & NobleAmazon.comが昨年電子書籍の売り上げが紙書籍のそれを上回ったと認めたように、オンライン売り上げと電子書籍の売り上げが第4四半期単体で2億5千万ドルを超え、紙書籍の売り上げを上回ったという事実についに圧倒された。100万人分の新たなNOOKのユーザーアカウントが同時期に作成された。Barnes & Nobleのグループ企業であり、大学キャンパス内の書店小売業者であるBarnes & Noble Collegeは昨年の売り上げが20億ドルを記録した。Barnes & Noble全体としての売上高はやや下がったが、その数字はいまだに43億ドルを優に超える。

 Liverty Mediaが投資戦略の一環としてBarnes & Nobleを買収する交渉を続けているというニュースを考慮すると、これらすべての数字は称賛に値する。 しかし、堅調なオンラインの売り上げと出番を待つ潜在的投資会社を控えて、なぜビジネス界から非常に荒涼とした予測がされるのだろうか。

 確かに、Barnes & Nobleの売り上げは落ち込んだ。しかも近年にない落ち込みで、昨年と比べて、ほぼ2億ドルの落ち込みだった。同社CEOのウィリアム・リンチ氏は、先月姿を現した同社の最新電子書籍リーダーのようなテクノロジープラットフォームに大規模な投資をしたことによってその一部は生じたのだと説明する。当事業年度はBarnes & Noble Collegeがはじめて通年の売り上げを明らかにしたので、その数字はある程度歪曲されているかもしれない。

 しかし、Barnes & Nobleは同社のWebサイトで今日、2010年度の売り上げが70億ドルの大台に達し、記録的成長を示したとする財務リポートを発表した。そして、Barnes & Nobleの前にそびえ立つオンライン書店の巨人Amazon.comが実店舗を持つ書店の売り上げを矮小化したように、Barnes & Nobleのインターネットと電子書籍の売り上げがかつて自社を最大の小売書店チェーンにした自社の実店舗の売り上げを矮小化している。

 これらすべての数字はBarnes & Nobleの電子書籍リーダー技術が短期的に同社の売り上げを損なうことになるとしても、長期的にはその技術が同社を救うことになるかもしれないという事実を示している。批評家たちは、Bordersの顧客が自分たちの電子書籍関連の需要を満たすために、よそを見なければならないということを考慮して、Bordersが行っていないことの一部として特にブランド化された電子書籍リーダーの欠如を長く引き合いに出してきた。Barnes & NobleのNOOKと書店に特化したデバイスの特長は同社を成長させ続けるかもしれない。

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