新サービス続々登場、電子書籍ストアの最先端を「BookGate」に見た(2/2 ページ)

» 2011年07月19日 10時00分 公開
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続々投入される、BookGateオリジナルの電子書籍コンテンツ

 ところで、BookGateがサービスイン直後から注目を集めたきっかけのひとつが、電子書籍オリジナルのコンテンツを取り揃えていることだ。例えばサービス開始直後には、ミュージシャンの石井竜也氏が米米CLUB時代の大ヒット曲「浪漫飛行」など全18曲をモチーフにしたオリジナルのショートストーリー集「詞解文書」をリリース。これはBookGate完全オリジナルのコンテンツであり、電子書籍として18曲分を順次リリースされたのち、2011年6月になって内容をまとめた紙の書籍が刊行されるに至った。電子書籍のリリースから紙の書籍が刊行されるまでの約10カ月間は、BookGateユーザーだけのお楽しみというわけだ。

 そして今回、新たなオリジナルコンテンツとして、新人アーティストである鈴木みかりの自叙伝と主題歌をまとめたコンテンツ「I'm OK」がリリースされる。これは本人が執筆した自叙伝に、BGMとしての主題歌をリンクさせた構成で、電子書籍の中でビデオクリップを読み込んで再生することもできるなど、電子書籍ならではの表現形態を模索した一冊となっている。彼女にとっては、この電子書籍コンテンツこそが作家および音楽家としてのデビュー作となる。今後の展開に目が離せそうにない。

 BookGateではこのほかにも、電子書籍オリジナルのコンテンツを続々リリースしていくとのこと。紙の本では実現し得ない、電子書籍にしかできない表現の数々に今後も期待したい。

新人アーティスト、鈴木みかりのオリジナルコンテンツ「I'm OK」。自叙伝と音楽のハイブリッドとなっている。電子書籍内からビデオクリップを読み込んで再生できるなど、リッチメディア対応も魅力

食べ歩きやショップ巡りが趣味のユーザーは見逃せない「おでかけBookGate」

 さて、そんなBookGateに今回新しく加わったのが「おでかけBookGate」だ。これはグルメガイドやショップガイドなど、いわゆるガイドブックに特化した作りになっており、豊富なビジュアルでショップの情報を閲覧しつつ、気に入ったショップがあればお気に入りに登録。地図や電話、ルート検索といったさまざまな機能により、実際のお店を訪れることが容易になるというアプリだ。単体のiPhoneアプリとして提供されることから、BookGateとはいわば姉妹アプリということになる。

 従来の紙ベースのガイドブックでは、写真を中心にした美しい誌面は魅力的だが、実際にその店を訪れようとすると、誌面に掲載されている電話番号や地図といった情報を改めてメモしたり、場合によってはページそのものを切り取って持ち出すという手間が存在していた。一方ケータイやスマートフォンのサイトであれば、地図やルート検索といった機能については充実しているものの、ガイドブックならではのビジュアル面での訴求に欠けるきらいがあった。

 おでかけBookGateは、グラビアを中心とした誌面でお店の情報を閲覧し、気に入ったショップは「マイベスト」と呼ばれるお気に入りに登録し、そのままiPhoneで持ち出すことができる。iPhoneのGPS機能を用い、目的のお店にたどり着くまでのルート検索がすばやく行えるほか、そのままお店に対して電話をかけることもできてしまう。雑誌とWebのメリットをいいとこ取りした、まさに電子書籍ならではの作りとなっている。

 このおでかけBookGate、マガジンハウス、スターツ出版、京阪神エルマガジン社、JTBパブリッシングとの共同開発であり、「Hanako」や「OZマガジン」「Meets」など、各社のタウン誌やガイドブックのコンテンツが配信されている。新たなコンテンツも続々登場するとのことなので、食べ歩きやショップ巡りが趣味のユーザーにとっては、見逃せない存在となることだろう。

7月7日にオープンしたばかりの「おでかけBookGate」。iPhoneアプリとして提供される。マガジンハウス、スターツ出版、京阪神エルマガジン社、JTBパブリッシングなどがタウン誌やガイドブックなどのコンテンツを提供している。コンテンツはそれぞれ有料だが、タウン誌やガイドブックの誌面をそのまま再現している
誌面に掲載されているお店情報がデータベース化されており、ソートや検索もスムーズに行える。電子書籍ならではのスタイルだ。なお、データベースからそのまま電話をかけたり、iPhoneのGPS機能を用い、お店までのルート検索も行える。紙の本ではこうはいかない

日本語コンテンツの英訳版に特化したポータルショップ「BookGate JAPAN」

 もうひとつ、新たにリリースされたユニークなサービスが「BookGate JAPAN」だ。これは英語圏のユーザーをターゲットにした、日本語コンテンツの英訳版に特化したポータルショップという位置づけのアプリだ。

 海外での日本文化ブームはいまに始まったことではないが、このサイトでは単なる日本のガイドブックにとどまらず、日本文化を英語で紹介するコンテンツに特化している。例えばオープン時の配信タイトルには、写真集のようなスタイルで能面を紹介する「能 -NOH -」などが用意されている。外国人が興味を抱きがちな日本文化の写真をさまざまなテーマでコンテンツ化して販売するという試みだ。これは国内最大級のフォトライブラリー「アマナイメージズ」との提携によって実現されており、今後ますますのタイトルの増加が期待される。

 またこのサービスは、コンテンツを提供する側の出版社にとっても、これまでになかった新たな販路となり得る。自社の書籍の英語版タイトルは、たとえリリースしたとしても、従来は多くの英語書籍の中で埋没してしまうこともしばしばだった。その点この「BookGate JAPAN」であれば、入り口の時点で日本に興味を持つ英語ユーザーにターゲットを絞り込んでいることもあり、日本に興味を抱く英語圏のユーザーに向けて、効果的なリーチが行える。

 もちろん、書籍の電子化に及び腰な出版社にとっても、端末普及台数が国内市場の10倍以上と言われる英語圏向けということであれば、見逃せないものとなるだろう。国内の出版社における電子書籍化の新たな流れを作り出すかもしれないこのサービス。既存のコンテンツを有効に活用し、海外に販路を広げたい出版社にとっては、注目しておいて損はなさそうだ。

外国人が興味を抱きがちな日本文化をコンテンツ化して販売する。写真は国内最大級のフォトライブラリー「アマナイメージズ」との提携で誕生したオリジナルコンテンツ「能 -NOH -」。なお、コンテンツは日本語と英語のハイブリッド

自社で電子書籍サイトを運営したい出版社には、OEMサービスを提供

廣済堂の電子出版支援サービス。今回紹介したOEM提供やDPサポートのほか、アプリ開発などさまざまな支援サービスで出版事業をサポートする

 法人に関連したソリューションについては、同社のクラウドサービスおよびOEMサービスも注目の的だ。ざっと概要を紹介しよう。

 今回紹介している「BookGate」は、書店としての販売機能のほか、本としてのビューア機能、購入したコンテンツを並べておくための本棚機能、さらにはバックグラウンドのアクセス解析機能が一体化された、高機能のストアアプリだ。これをまるごとOEMで提供し、自社ブランドの電子書籍ストアを開設できるのが、同社のOEM基本パッケージだ。

 前述のとおり「BookGate」では、コンテンツの購入において、AppStoreにひもづいたユーザー情報をそのまま利用する。ユーザーはあらたにクレジットカードをはじめとする個人情報を提供することなく、Apple IDさえあれば新たにコンテンツを購入、閲覧することができる。決済機能が煩雑で、ユーザーの離脱を招きかねない他の電子書籍ストアに比べて、これはBookGateの大きな強みだ。

 同社のOEM基本パッケージでは、これらの決済機能がそのまま提供されるほか、高度なアクセス解析機能により、ユーザーの詳細な行動分析や動線の解析が行える。電子書籍では本文のうち何ページかを「試し読み」として提供するケースもよくあるが、まったく的はずれなページをお試しとして提供し、ユーザーを逃してしまっているケースもある。一方、そもそも商品ページに呼び込むことができておらず、お試しページをどれだけ工夫しても意味のない場合もある。これらの解析機能が標準で付属するBookGateのOEMサービスは、自社での電子書籍ストアの運営を考える出版社にとっては、強い味方となることだろう。

 もうひとつ、電子書籍ストアの運営における煩雑な業務を支援してくれるのが、同社のDPサポートだ。出版社にとって、印税支払いや契約といった著作権者とのやり取り、提携サイトや出版社に対する電子書籍データの提供は、運営においてかなりの負担となる。同社のDPサポートは「電子書籍用データの保存管理、納品支援」「売上データの集計・管理、印税計算」「契約情報の管理」という3つの支援機能を、クラウド上で提供することにより、スムーズな電子書籍ストアの運営を強力にサポートしてくれる。これから電子書籍ストアの運営を考えている出版社にとっては、候補の最右翼となることだろう。

新たなサービスはもちろん、オリジナルタイトルも拡充予定

 以上見てきたように、BookGateのサービスは、読者たるユーザーの利便性を追求しつつ、さらにコンテンツを提供する出版社にとっても、きわめて効率的かつ魅力的なサービスに仕上がっている。読者が読みたいコンテンツを出版社が取り揃え、BookGateを通じて届ける。サービス名に冠されたゲート、つまり入り口たる役割を、読者、出版社ともに対して提供しているのがBookGateであり、それが体現できているからこそ、支持を集める要因となっているのだろう。

 今後はさらに新たなオリジナルタイトルを投入するのはもちろんのこと、ひとことコメント機能を備えたソーシャル機能付き「BookGate for GREE」をAndroid向けにリリースする予定もあるとのこと。今後も目が離せないBookGate、iPhone/iPadアプリは無料でダウンロードできるので、まだ利用したことがないのであれば、まずはためしに使ってみてはいかがだろうか。

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