ヤフーが満を持して開始した電子書書籍ストア「Yahoo!ブックストア」。EPUBの全面採用なども話題だが、どのような電子書籍ストアなのか見ていこう。
ヤフーは11月2日、電子書籍ストア「Yahoo!ブックストア」をオープンしたと発表した。この記事では、どのような電子書籍ストアとなっているのかを紹介する。
Yahoo!ブックストアで販売される電子書籍は、「購入」「レンタル」「定期購読」「月額セット」のいずれかに分類できる。このうち、「購入」「定期購読」はダウンロード型、「レンタル」「月額セット」はストリーミング型となっている。現時点で「定期購読」は見当たらない。また、「レンタル」作品となっているのは、ハーレクインの全作品で、レンタル期限は購入から80日間。
「月額セット」は、毎月決まった額の料金を支払い、セットに含まれる作品が読み放題になるというもの。毎月1日になると自動継続され、作品は毎月入れ替わっていくようだ(同じ作品の配信が数カ月間続くことや、過去に配信した作品が一定期間後に再配信されることもあるとしている。
実際にどのようなセットがあるのか確認してみると、「さいとう・たかをセレクション 月額セット(13冊)」や「本宮ひろ志コレクション 月額セット(7冊)」「ビッグ・サンデーコレクション 月額セット(16冊)」などが並んでいるのが確認できる。
支払い方法はYahoo!ウォレットのみで、Yahoo!ポイントを1ポイント=1円で購入代金に充てることもできる。ただし、Yahoo!ポイントの利用には制限も多く、Yahoo!ポイントが利用できるのは一部の購入商品(定期購読商品での利用は不可)のみで、購入代金の一部をYahoo!ポイントで支払う、といったこともできない。
Yahoo! Japanの各種サービスとの連携としては、Yahoo!ショッピングへの導線が用意されているほか、Yahoo!プレミアム会員向けの特典として、実施期間中に提供されている作品が無料で読める「タダ読み」のほか、一部作品は割引価格で購入できる(割引が適用されている作品は現時点で確認できなかった)。
次に、ビューワアプリについて見ていこう。EPUBを全面的に採用したストアとしては国内初となるが、どのようなビューワに仕上がっているのだろうか。
Yahoo!コミックではWebブラウザベースのビューワだったが、Yahoo!ブックストアでは専用のビューワアプリが用意されている。現時点でPC向けのみ提供されており、Androidアプリは予定よりリリースが遅れている。また、残念ながら現時点ではMac OSやiOSには非対応で、Android版を含め順次提供予定としている。
どこまで読んだかなどの情報はサーバ側に保存されるので、AndroidやiOS向けのアプリが提供されれば、PCで読んでいた作品をスマートフォンなどで開くと、読んでいたところから再開できるようになる。ただし、複数のデバイスから「同時」に読むことはできない。また、アプリ内で作品の検索・購入は行えず、それらを行おうとすると、WebブラウザでYahoo!ブックストアが開くようになっている。
ビューワアプリはビューワとしての機能のほか、管理機能を備えており、「書庫」と「本棚」という2つの管理画面に分かれている。
このうち、「書庫」にはYahoo!ブックストアで購入したもののみが並び、上述したいずれの形式でもここで管理できる。一方、「本棚」の方はYahoo!ブックストアで購入したダウンロード型のコンテンツのほか、EPUB形式のファイルを自由に登録して管理することができるのが特徴だ。
専用アプリとはいえ、ユーザーが持つ電子書籍ファイルも扱えるようにするアプローチは紀伊國屋書店のKinoppyと同様で、Yahoo!ブックストアのビューワは汎用のEPUBビューワとして利用できる。ただし、DRMが掛かっているEPUBファイルは当然開けず、Yahoo!ブックストアで販売されるEPUBファイル以外はサポート対象外となっている。任意のEPUBファイルを本棚に追加するには、「書籍ファイルを取り込む」ボタンを押してEPUBファイルを選択すればよい。
このほか、無料で提供されている作品や有料作品の立ち読みデータは、[今すぐ読む]や[立ち読み]などのボタンを押すことでビューワが立ち上がるようになっている。Yahoo! JAPAN IDでのログインも不要だ。これらはストリーミング形式で提供されており、ビューワの「書庫」には登録されない。
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