“推し”漫画をエースに、「ニコニコエースコミック総選挙」始まるねだるな、勝ち取れ

ドワンゴと角川グループが手を組んで11月から開始したニコニコ静画(電子書籍)で、ユーザー主導による作家デビュープログラム「ニコニコエースコミック総選挙」が開始された。

» 2011年12月07日 16時00分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 ドワンゴは12月6日、電子書籍配信サービス「ニコニコ静画(電子書籍)」で、新人作家マンガの勝ち抜きコンテスト「ニコニコエースコミック総選挙」を開始した。

 ドワンゴと角川グループが手を組んで11月から開始したニコニコ静画(電子書籍)。角川グループが提供する電子書籍配信サービス『BOOK☆WALKER』のコンテンツをニコニコ静画のプラットフォーム上で読むことができるだけでなく、共同で創刊した無料のWebコミック誌「角川ニコニコエース」(毎週火曜更新)が配信され、電子書籍市場の中でも特別にユニークなポジションにいる。

 今回新たに開始されたニコニコエースコミック総選挙は一過性のものではなく、ユーザー主導による作家デビュープログラムといえるもの。

 選挙は4カ月を1シーズンとして実施される。各シーズン内で予選と本選が存在し、予選では毎月3〜4名の作家がオリジナル作品を角川ニコニコエース上に掲載(月2回更新・全2話)し、読者投票により毎月1作品が次シーズン以降の本戦出場権を手にする。投票は、角川ニコニコエース内の作品最終ページにある「投票する」ボタンを押すことで行われる。

 本戦では、隔週から月刊になり全3話を公開、こちらも読者投票およびニコニコエース編集部の選考に経て角川ニコニコエース連載権を獲得する作家が決まる仕組みとなっている。12月6日から配信されている角川ニコニコエース第5号では4作品が予選にエントリーしており、ファーストシーズンの第1節ということができる。

ニコニコエースコミック総選挙の実施イメージ。4カ月を1区切りにして予選と本選を繰り返していく。ファーストシーズンの本選は、ニコニコエース編集部内で事前に選考した新人作家4名によって争われる
しおさい!ラブまんこっこっこっハナオクリ ニコニコエースコミック総選挙ファーストシーズン予選にエントリーしている4作品(クリックで作品を読めます) (C)niwango, inc. All rights reserved.

 結果として、1シーズンごとに1人の新人作家が誕生することになるこのプログラム。デビュー前からニコニコ静画(電子書籍)ユーザーの支持を集める作家が角川ニコニコエース誌面、あるいはそれを飛び出した社会にどのようなインパクトを与えることになるのか。ニコ動発のクリエイターが珍しくなくなったように、漫画の世界でもそうした才能が見いだされ、角川グループの人気漫画として世に羽ばたいていくのか、長期的に注目していきたい。

 なお、ニコニコ静画(電子書籍)自体も着実に機能改善を図っている。先日は、大日本印刷の秀英体OpenTypeフォントが他社に先駆けニコニコ静画(電子書籍)のiOSアプリに搭載されたが、PC Webのプレイヤー(ビューワ)には新たに目次機能が追加され、各作品へ移動しやすくなった(対応書籍のみ。iOSアプリには未実装)。


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