一線級の編集者たちが語る「アメリカン・エディターズ」、BinB storeで発売米国出版界の実情

一線級の編集者たちへのインタビューを通して米国の出版事情を余すところなく伝えた「アメリカン・エディターズ ― アメリカの編集者たちが語る出版界の話」がBinB storeで販売開始。

» 2012年05月28日 15時00分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 eBook USERでも折に触れて最新情報をお届けしている米国の出版事情。そんな米国出版界に飛び込み、一線級の編集者たちへのインタビューを通して数々の疑問を解消した良書が登場した。ボイジャーが5月28日に自社の運営する「BinB store」で販売開始した『アメリカン・エディターズ ― アメリカの編集者たちが語る出版界の話』(630円)がそれだ。

 同書の著者は秦隆司氏。2011年にニューヨークで電子書籍の出版社「ブックジャム・ブックス」を立ち上げ、米国の原書を読む人のための雑誌「アメリカン・ブックジャム」を刊行した人物でもある。この雑誌は、それまで断片的にしか知ることのできなかった米国の出版文化を取り上げたこれまた良質なコンテンツだ。

 今回発売された『アメリカン・エディターズ ― アメリカの編集者たちが語る出版界の話』は、アメリカン・ブックジャムに掲載された名編集者らへの10編のインタビューに、現在の電子書籍事情を伝える新たな2編のインタビュー記事を加えて再構成したもの。

 BinB storeでは特別コンテンツとして、ダン・サイモン氏(セブン・ストーリーズ・プレス)へのインタビューを全文無料公開している。「ワイルド・ウェスト」(開拓時代のアメリカ西部)と呼ばれる現在の出版状況の中で、Amazon.comは出版界にとって敵か見方か、電子書籍を含めた「本」の未来についてなど、売上、卸値、価格付け、印税の具体的な数字を挙げて語っており、こちらも一見の価値がある。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.