存在感増す“ボカロ小説”――「カゲロウデイズ」シリーズが50万部突破

人気VOCALOID楽曲を元にした小説「カゲロウデイズ -in a daze-」と続編「カゲロウデイズII -a headphone actor-」の累計発行部数が50万部を突破することが分かった。“ボカロ小説”への注目度が、一層高まりそうだ。

» 2012年09月28日 20時30分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 音声合成技術「VOCALOID」を使ったソフトウェア「初音ミク」の誕生から5年――。“ボカロ”の略称で親しまれるVOCALOIDの関連コンテンツは、音楽の世界だけでなくゲームや漫画、さらにはコンビニまで、さまざまな広がりを見せている。そして今、小説の世界でもボカロの存在感が徐々に高まっている。

 人気ボカロ楽曲から生まれた小説「カゲロウデイズ」シリーズの累計発行部数が、50万部を突破することがこのほど分かった。同シリーズは、クリエイターの“じん(自然の敵P)”氏が発表したボカロ楽曲の世界観を元に作られたもので、じん氏自らが執筆を手がけている。5月30日に発売された第1弾「カゲロウデイズ -in a daze-」は既に20万部を突破し重版も続いている。加えて9月29日に第2弾「カゲロウデイズII -a headphone actor-」が発売となり、合わせて50万部を突破するという。

photophoto 20万部突破の第1作「カゲロウデイズ -in a daze-」(写真=左)と、新たに発売となる2作目「カゲロウデイズII -a headphone actor-」(写真=右)

 じん氏は、2011年にニコニコ動画でボカロ楽曲「人造エネミー」を発表して以来、世界観を共有する複数の楽曲を公開。3作目の「カゲロウデイズ」は再生回数200万を超えるほどの人気を集めている。こうした勢いに乗って、小説化だけでなくコミカライズも始まっており、さらにはアニメ化の企画も進行中。これらのマルチメディア展開は「カゲロウプロジェクト」としてファンに認知されている。

 なお小説版「カゲロウデイズ」は、電子書籍事業を展開するブックウォーカーの小説レーベル「KCG文庫」(発行はエンターブレイン)の作品。電子版は電子書籍ストア「BOOK☆WALKER」で購入できる。最新の「カゲロウデイズII -a headphone actor-」も先行配信中なので、興味のある読者はチェックしてみよう。

 近年、「悪ノ娘」シリーズや「初音ミクの消失 小説版」など人気ボカロ楽曲に関連した小説が続々と生まれているが、「カゲロウデイズ」が50万部を突破したことでボカロ小説への注目度は一層高まりそうだ。

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