漫画ブロガーが本気で教えたい “今年出たすごい1巻”：熱血作品からファンタジーまで（3/3 ページ）
この“表情”に出会えた幸せ 「Latin 高畠エナガ短編集」（高畠エナガ）
集英社の漫画誌「スーパーダッシュ＆ゴー！」でデビューした期待の新人、高畠エナガさん。そのポテンシャルがはっきり示されているのがこの初単行本です。想いの力強さ。人の温もり。心震える絆の物語が収められています。
荒削りなところは確かにあります。けれどそれが魅力的でもある。まさに原石の輝きなのです！ それと同時に、すでに完成しているかのようなセンスの良さが存在感を放っています。4つの短編が収録されており、中でも表題作「Latin」は極上の味わいです。人とアンドロイドが織りなすちょっと不思議な物語に、いつまでも浸っていたくなります。作者は現在、新作「100 -HANDRED-」をスーパーダッシュ＆ゴー！で集中連載中。高畠エナガさんの次なる活躍が楽しみです！
ちなみに、短篇集に関しては特設サイトも用意されており、試し読みもできます。なんと表題作の「Latin」はまるごと読めてしまいます！ この試し読みで雰囲気をつかんでみてはどうでしょうか。
なお、高畠エナガさんのホームページではWebコミックも公開されています。中にはコミック版「Latin」の雛形となったWeb版「Latin」もあり、もちろん無料。コミック版とはストーリーは異なりますが、こちらもオススメです。
ここが見ドコロ！「表情の魔力」
このコミックスの表紙にドキッとさせられた人もいるんじゃないかと思います。涙を浮かべる少女の表紙。そう、この作品で強く感じるのが「表情」の力。魔力とも言うべきかでしょうか。高畠エナガさんの描く表情は、とにかく心に刺さる！ 怒り。哀しみ。感動。喜び。ほかにもたくさんの表情。記憶に心に、くっきりと刻みつけられるだけのインパクトがあります。最高にイイ笑顔、見られますよ。
いかがでしたでしょう。紹介したのはいずれも、今後の期待度がとても高い作品です。まだ巻数が少ないので、一気読みするなら今のうちですよ！
著者紹介：漣
中学のころに「最終兵器彼女」と出会って狂わされたブロガー。こじれた思春期と甘いラブコメとめんどくさい女の子にごちそうさま。1日1冊まったり漫画を読みながら暮らしています。
ブログ：「正直どうでもいい」
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