ネット利用者の“リアル書店離れ”、実は中年世代で顕著

アイ・エム・ジェイが「日常生活におけるデジタル化」に関するネットリサーチ結果を発表。年齢が高まるにつれ本をオンラインで購入する割合が高い傾向が見られ、50代で最も割合が高かった。

» 2012年10月31日 08時00分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 「若者の〇〇離れ」という言い回しがよく使われる最近だが、ネットユーザーにおける「書店離れ」に関しては、中年世代にその傾向が見られる――。アイ・エム・ジェイが10月30日、そんな調査結果を発表した。

 同社が今回実施した「日常生活におけるデジタル化に関する調査」は、インターネット上で質問に答えてもらうネットリサーチだ。そのため回答者は各年代のネット利用者となる。調査会社が保有する15〜69歳の男女調査パネルを使い、7月21日〜22日に調査を実施。有効回答数は1038サンプル。

 調査では各種の消費者行動に関して、過去1年間の行動回数におけるデジタルサービスの利用割合を「デジタル化率」として調べた。「書籍」あるいは「漫画」の購入回数を全体とし、そのうちオンラインショップやオークションサイトを通じた購入の割合を調べたところ、書籍と漫画のどちらも50代の間で最も利用割合が高かった(書籍:37.3%、漫画:32.9%)。またどちらも、60代を例外に年代が高まるにつれ利用割合が高まる傾向にあった。

photo 「購買行動におけるデジタル化率」の表

 一方、電子書籍の利用割合では逆の傾向が見られた。過去1年間の読書冊数を全体とし、電子書籍の利用割合を調べると、「小説」「漫画」ともに10代の利用割合が最も多かった(小説:16.2%、漫画:16.9%)。また、どちらも60代を例外に年代が高まるにつれ利用割合が低くなった。なお、利用割合は10代でも2割を下回っており、紙の本が選ばれることがまだまだ多いと言える。

photo 機能・サービスのデジタル化率。右端にある「読書」の項目が、電子書籍の利用割合だ

 嘘か真か「若者の活字離れ」もささやかれる昨今、各年代におけるリアル書店の絶対的な平均利用回数を比べれば、違った傾向が出るかもしれない。ただ、本屋に足を運ばずとも簡単に本が購入できるオンラインサービスを、中年層がより積極的に利用している向きはありそうだ。

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