無骨な男子高校生は、乙女な少女漫画家でした―― 「月刊少女野崎くん」特集号ドラマCD発売記念

ガンガンONLINEにて大人気連載中の4コマ漫画「月刊少女野崎くん」。ドラマCD発売を機会に本編のあらすじを紹介します。

» 2013年06月20日 15時30分 公開
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 椿いづみさん作、ガンガンONLINEにて大人気連載中の4コマ漫画『月刊少女野崎くん』。6月22日に待望のコミックス第3巻、そして6月26日には初のドラマCDが発売されるのを記念して、今回はその面白すぎる野崎くんの世界をご紹介します!

無骨な男子高校生は、乙女な少女漫画家でした。ドラマCD発売記念「月刊少女野崎くん」特集号

 無骨な男子高校生、野崎梅太郎。彼に恋をした女子高生、佐倉千代は勇気を出して告白するものの、なぜか恋人ではなく、少女漫画家のアシスタントとなったのでした……。

 そう、彼女が恋する野崎梅太郎とは、月刊少女ロマンスに「恋しよっ」という作品を連載している人気少女漫画家“夢野咲子”本人だったのです。

 そんな始まりからして、ちょっとおかしな展開を繰り広げる『月刊少女野崎くん』の世界。その最大の魅力は、何といっても、個性的な登場人物たちの噛み合わないかけ合いにあります。実は、本作に出てくるキャラクターは、一癖どころか百癖ぐらいあるといっても過言ではないぐらい、キャラ立ちしすぎている人物ばかりなのです。

 例えば、主人公である野崎梅太郎。繊細な心理描写と華やかな画面で大人気の少女漫画家、夢野咲子として活躍する彼ですが、実は恋愛経験がなく、初恋もまだ。デリカシーのかけらもない言動で、ヒロイン・千代の想いにはまったく気づかない激鈍男という、「お前はなぜ、そんなんで少女漫画描けるんだよ天才か!」とこちらが思わずつっこんでしまいたくなる存在なのです。

 行動や考えのすべてが漫画製作に帰結している野崎くんは、かっこいいのにちょっと残念な男の子。本当に、千代ちゃんはなぜ、こんなにも面倒くさい人が好きなんでしょうね……。

 もちろん、野崎くんに負けず劣らずの個性溢れるキャラは、まだまだ登場します。見た目も言動もチャラいのに、自分で言った甘いセリフに恥ずかしくて悶絶してしまう、面倒くさくて繊細なツンデレ男子の御子柴美琴(通称:みこりん)は、野崎くんが描く漫画のヒロインのモデルだったり、無自覚で人を怒らせるKY・瀬尾結月は、天使の歌声を持つ声楽部のローレライその人だったり、学園の王子様と呼ばれ、女子生徒に絶大な人気を誇る鹿島遊は、王子様といわれつつも、その正体は天然タラシのバカ女だったり、そんな鹿島の先輩である演劇部部長・堀正行は、鹿島に対して常にバイオレンスなくせに、彼女の居ないところではいかんなくベタ褒めする親バカっぷりを発揮したりするなど、もはや、野崎くんの周りには個性的という言葉がゲシュタルト崩壊しそうなほど、濃いキャラがたくさん登場します。

 個人的には、野崎くんの前担当者である無能ナルシスト編集者、前野さんが登場するだけで、もれなく笑いとちょっとした殺意が芽生えます。ああ、いつか前野さんの顔面グーパンしたい……。たぶん彼なら殴られても「じゃあ殴られる僕の記念写真撮っといてくださいよ!」とか笑顔で言いそう……。

 しかし、改めてみてみると、何ということでしょう……類は友を呼ぶとは言いますが、ここまで変なやつらしかいないなんて! 本当に皆、黙っていれば、美男美女なのに残念すぎます……(だがそれがいい)。こんな彼らが、己の個性と個性をぶつけ合ったかけ合いを繰り広げているのですから、面白くないワケがありません。

 そして今回、ついに待望のドラマCD化! 音声つきでこのハイテンションな会話劇を繰り広げられたら、まさに鬼に金棒、野崎くんにGペン状態です。気になるドラマCDの内容は、原作者である椿いづみ先生の描き下ろしストーリーとなっていますので、これはもう聞かずにはいられませんよね。コミックス同様、ますます広がる『月刊少女野崎くん』の世界に、今後もどっぷりつかってしまいそうです。

 ……ん? あれ? ……待てよ? もしかしてこれ、わたしも類は友を呼ぶ状態になっちゃって……る?

(評:ラノコミどっとこむ編集部/やまだ)

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