湾曲した見開き部も補正する技術――富士通で開発

富士通研究開発中心有限公司と富士通研究所が、厚みのある冊子をカメラで撮影した際生じる、見開き部分のゆがみを補正する技術を開発した。

» 2013年07月10日 15時50分 公開
[渡辺まりか,ITmedia]

 富士通研究開発中心有限公司と富士通研究所は7月10日、厚みのある冊子をカメラで撮影した際に生じる、見開き部分のゆがみを補正する技術を開発したと発表。詳細は8月25日から米国ワシントンで開催される国際会議(ICDAR 2013)で発表するという。

 これまで蔵書を電子化する際、冊子を裁断し、ページごとにバラバラにしたものをスキャンするシートフィード方式のスキャナが一般的に用いられてきた。裁断せずにフラットベッドスキャナやカメラを利用してスキャンしようとすると、厚みのある冊子では見開き部が湾曲してしまい、正しい画像を得ることができなかった。

 そこで、両社では、ページの輪郭線を検出し、その結果から書面の高さを推定してゆがみを補正する技術を開発。これにより、フラットベッドスキャナだけではなく、1台のカメラで撮影した場合でも、ゆがみのない正しい画像を得られるようになった。また、冊子を押さえるために写り込んだ指の自動検出・除去も合わせて行う。A4サイズを解像度300dpiで読み取った場合、1.3秒で補正処理するという。

ブック補正技術の概要
新技術による見開き部の補正効果

 同技術は7月12日にPFUが販売開始する非接触・非破壊型スキャナScanSnap SV600に付属のソフトウェアにも含まれており、今後、どのような形で提供するかは未定とのこと。

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