ロシアの電子書籍市場、海賊版の横行により成長を阻害される

ロシアの電子書籍市場は都市部での利用が大半で電子書籍販売額で約800万ドル。海賊版が横行しているという。

» 2013年07月18日 13時30分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
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 Russian Association of Online Publishersによると、ロシアの電子書籍市場は成長している。2012年には電子書籍で800万ドルを売り上げ、2011年の410万ドルから劇的な成長をみせた。しかし、電子書籍はロシアの書籍市場の1%ほどでしかなく、ベトナムの電子書籍市場規模とほぼ同等となっている。

 Russian Association of Online Publishersの専務取締役、ウラジミール・ハリトーノフ氏は最近、「ロシアの電子書籍リーダーの市場規模は2000万ドルほどだと考えられています」と話した。多くの業界関係者はその規模が今後数年で大きく成長するとみている。ロシアで電子読書を行なっている人の大半はモスクワとサンクトペテルブルクに居住している傾向が強く、地方で電子書籍を読んでいる人の数はかなり少数に留まっている。電子書籍リーダーと電子書籍を購入する人のほとんどは大都市部に住んでいるといってもよい。

 iMobilcoは現在、ロシアで最も有名な電子書店の1つで、市場の20%を占めている。最大手はLitResで、市場の60%を占めている。LitResの最高責任者、セルゲイ・アヌリエフ氏は2015年までに電子書籍分野は書籍市場全体の5%を占め、売り上げでは9000万ドル規模になると考えている。

 電子書籍の売り上げが取るに足らないのは海賊版が横行しているからだ。ロシア最大手の出版社Eksmoは最近、全電子書籍のうち、95%が海賊版だとコメントした。結果的に電子出版業界の損害は1億2000万ドル近くに上ることになる。現在、正式に入手できる6万タイトルと比較して、海賊版では10〜11万タイトルが入手できると推測されている。

 ロシアの出版社は手をこまねいているわけではなく、マーケティングキャンペーンを通じて正式の電子書籍を購入するように人々に促している。政府と出版社は過去2年で海賊版電子書籍への2万5000リンクを無効化し、100以上のWebサイトを閉鎖しており、成果を上げているようだ。

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