出版業界ニュースフラッシュ 2013年10月第2週

出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。10月第2週は、宝島社が主催する「このミス大賞」や全国農村読書調査結果などが発表されています。

» 2013年10月15日 11時15分 公開
[新文化通信社]
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全国農村読書調査、「雑誌読書率」が過去最低に

 家の光協会が行った第68回全国農村読書調査で「雑誌読書率」が49%で過去最低、「書籍読書率」が30%で過去最低に近い数値になった。雑誌・書籍の読書時間は回答者全員で平均14分(前年比2分減)、「読んでいる人」の平均読書時間は32分(同9分減)。

 月刊誌の入手方法は(1)書店、(2)スーパー・コンビニ、(3)JA(農協)の順。好きな作家は東野圭吾氏が5年連続でトップ。また、電子書籍・雑誌を読んでいる人は15%だった。

 アンケート調査は、全国60カ所の農林地区に在住する16〜79歳の1200人。有効回答者は847人。

大宅壮一ノンフィクション賞に雑誌部門新設

 同賞を主催する日本文学振興会が10月7日、発表した。 対象は、2013年1月1日から12月31日までに公表された月刊誌、季刊誌、週刊誌の署名記事。Webマガジンは除く。

 内容は単行本部門と同じくルポ、ドキュメンタリーなどが対象。スクープ記事も含む。選考委員は、奥野修司、後藤正治、エリック・タルマジの3氏。選考結果は2014年4月3日、日本外国特派員協会(東京・有楽町)で発表する。

世界文化社、新雑誌「GOLD」創刊

 10月7日、“バブル世代”(45〜52歳)の女性をターゲットにしたファッション誌『GOLD』(定価820円)を創刊した。ファッションを中心に美容、食、旅行などのライフスタイルを提案していく。表紙モデルは今井美樹が務める。

 同日、東京・渋谷区の代官山蔦屋書店で読者を招いたイベントを開催した。同誌で連載を手がけるモデルの萩原リカ(旧姓・冨田)さんや三浦りさ子さんらが登場。萩原さんは、GOLD世代は「健康的で自ら楽しむエネルギーを持ち合わせている。料理をしている、夫を会社に送り出すといったシーン自体に美しさがあると思う」と語った。

萩原リカさん(右)と編集長の内山しのぶ氏
毎月7日発売、A4変型。発行部数は11万部

明文堂書店、11月22日に1000坪級プレオープン

 明文堂プランナーは11月22日、石川・小松市に22店舗目となる「明文堂書店TSUTAYA小松沖町店」(仮)を出店する。建築のべ床面積は1087坪。書籍・雑誌ほか文具・レンタル売場、タリーズコーヒー、フードコートを併設する。タリーズコーヒーにも書籍売場を設け、ゆっくりと選書ができるようにする。それも含めた本の売場面積は600坪。11月22日プレオープンのあと、商品構成などを見直して12月21日にグランドオープンする。駐車場は200台。

 店内には国内の書店で初めて暖炉を設置。シルバー層を意識した店づくりを目指すという。年間売上目標は7億円(フードコート分を除く)。10月7日、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントに出版社120人を集め、清水満社長が1時間にわたり説明し、出品協力を求めた。

第12回「このミス大賞」に警察小説2作

 宝島社が主催する第12回「このミステリーがすごい!」大賞に、梶永正史氏『警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官』(仮)と八木圭一氏『一千兆円の身代金』(仮)が選ばれた。2作とも警察小説。作者はともに会社員。

 応募総数は457作。賞金の1200万円は均等に分配される。選考委員の大森望氏は「警視庁捜査二課〜」について、「すぐにでも映像化されそうな、もてなしのよさがポイント」とコメント。2作とも来年1月に書籍刊行される予定。

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