レビュー
» 2013年10月28日 10時00分 公開

Amazonの新型電子書籍リーダー「Kindle Paperwhite 2013年モデル」を使ってみた (2/2)

[鷹野 凌,eBook USER]
前のページへ 1|2       

2012年モデルとの違いは?

 2012年モデルと並べて比較すると、ディスプレイの色合いが若干黄色っぽいように感じられる。また、ホーム画面やメニュー構成などに微細な違いが数カ所、読書画面に新機能が幾つか追加されている。本稿執筆時のファームウェアのバージョンは2012年モデルが5.3.8(記事掲載時の最新ファームは5.3.8.1)、2013年モデルが5.4.0だったので、その違いに依るものなのかもしれない。以下の写真は、左が2012年モデル、右が2013年モデルだ。


2013年モデルの画面は若干黄色っぽい 2013年モデルの画面は若干黄色っぽい
記事執筆時点のファームウェアのバージョンは2012年モデルが5.3.8、2013年モデルが5.4.0 記事執筆時点のファームウェアのバージョンは2012年モデルが5.3.8、2013年モデルが5.4.0

 本を整理分類しておける「コレクション」機能だが、自動的に同期されず自分でインポートする必要がある。[端末]のメニューは「新しいコレクションを作成」だが、[クラウド]のメニューは「コレクションをインポート」になっていた。ちょっと気づきづらいので、できれば自動同期してほしいところだ。


メニューの表記が微妙に変わっている メニューの表記が微妙に変わっている
「コレクション」はインポートする必要がある 「コレクション」はインポートする必要がある

 従来は、[クラウド]から本をダウンロードすると、完了時にのみ「タップして開く」という表示が出て、以降は[クラウド]の一覧からは消えて[端末]の一覧に移る形になっていた。これが2013年モデルでは、[クラウド]の一覧には全ての本が表示され、ダウンロード済みのアイコンが表示されるようになった。つまり、[クラウド]を見れば自分の所有している全ての本が、一覧で確認できるようになったわけだ。なお、[端末]にはダウンロード済みの本だけが表示されるのは従来と変わらない。


[クラウド]リスト表示での比較。2013年モデルには右側にダウンロード済みのマークが付いている [クラウド]リスト表示での比較。2013年モデルには右側にダウンロード済みのマークが付いている
[端末]リスト表示での比較。ダウンロード済みの本だけが表示されるのは従来と同じ [端末]リスト表示での比較。ダウンロード済みの本だけが表示されるのは従来と同じ

 [設定]の[端末のオプション]にある[言語と辞書]では、使用するキーボードの種類にフランス語(カナダ)が追加され、2012年モデルにあった「プログレッシブ英和中辞典(4版)」が消えていた。ただ、実際に英文で辞書機能を使ってみると、ほぼ同じ内容の説明文が表示されたため、数日後に再度確認したところ、2013年モデルにも「プログレッシブ英和中辞典(4版)」が表示されていた。以下の画像はプログレッシブ英和中辞典(4版)が表示されていなかった時のものだ。ファームウェアはアップデートされていないので、なぜ後から表示されたのかは分からない。


キーボードの種類にフランス語(カナダ)が追加された キーボードの種類にフランス語(カナダ)が追加された
「プログレッシブ英和中辞典(4版)」が消えた(後に復活) 「プログレッシブ英和中辞典(4版)」が消えた(後に復活)

「プログレッシブ英和中辞典(4版)」ではないが、同じ説明文に見える 「プログレッシブ英和中辞典(4版)」ではないが、同じ説明文に見える
翻訳機能にも問題はない 翻訳機能にも問題はない

「How to Speak and Write Correctly」 Joseph Devlin

 読書中のツールバーやメニューにも幾つか違いがある。まず、ツールバーから[同期]のメニューが消え、その代わりに従来は右上のメニューに格納されていたブックマークとメモの一覧表示メニューが表に出てきた。また、読書中に辞書で調べた言葉の履歴が一覧できる[単語帳]という新機能が追加されている。


[同期]が消えてブックマークとメモの一覧表示メニューが表に出てきた [同期]が消えてブックマークとメモの一覧表示メニューが表に出てきた
[単語帳]機能が追加されているのと、下部に章の名称が表示されるようになった [単語帳]機能が追加されているのと、下部に章の名称が表示されるようになった

「聖剣の刀鍛冶 1」 三浦勇雄(著)、屡那(著・イラスト)/KADOKAWA / メディアファクトリー

 ツールバーを開いた時の下部には章の名称が表示され、タップするときプレビューしながら章の移動ができる新機能が開く。単語を長押しで開く辞書機能及び他のメニューウィンドウは、従来より表示範囲が大きくなり、[その他]に格納されていたメニューが表に出てきた。また、選択範囲の両端にはつまみ型アイコンが表示されるようになり、従来より選択範囲の変更が楽になっている。


下部の章名称をタップすると、プレビューしながら章移動ができるメニューが開く。左は従来の[移動]メニュー 下部の章名称をタップすると、プレビューしながら章移動ができるメニューが開く。左は従来の[移動]メニュー
[その他]に格納されていたメニューが表に出てきた [その他]に格納されていたメニューが表に出てきた

 フォントメニューには、筑紫明朝フォントが追加されている。特にひらがなの形状が、従来の明朝体とは異なっている。


筑紫明朝フォントが追加されている 筑紫明朝フォントが追加されている
従来の明朝体(左)と筑紫明朝体(右) 従来の明朝体(左)と筑紫明朝体(右)

 改良された内蔵ライトは、ほとんどムラなく画面を照らすようになった。暗い場所で並べて比べると、違いが顕著なのが分かるだろう。


一番明るい設定だと、あまりムラは目立たない 一番明るい設定だと、あまりムラは目立たない
中間くらいの明るさだと、2012年モデルの下部にはかなりムラが目立つ 中間くらいの明るさだと、2012年モデルの下部にはかなりムラが目立つ

 2012年モデルに比べると、画面の更新速度は向上している。また、書籍の場合は白黒反転する更新頻度が、6ページに1回から14ページに1回程度に改善されているようだ。どの程度高速化したか、更新頻度がどのくらいかは、実際にページめくりをした動画を見て頂くのが一番だろう。左が2012年モデル、右が2013年モデルだ。

書籍の場合

「聖剣の刀鍛冶 1」 三浦勇雄(著)、屡那(著・イラスト)/KADOKAWA / メディアファクトリー

コミックの場合

「となりの怪物くん(1)」 ろびこ(著)/講談社

 PRS-T3Sとの比較もしてみた。PRS-T3Sは、白黒反転がほとんど発生しない。また、ハードウェアキーとタップという操作の違いによるものかもしれないが、画面の更新速度はPRS-T3Sの方が上だった。条件を揃えるために電源投入直後の状態で確認をしたが、結果は同じだった。左がKindle Paperwhite 2013年モデル、右がPRS-T3Sだ。

書籍の場合

「聖剣の刀鍛冶 1」 三浦勇雄(著)、屡那(著・イラスト)/KADOKAWA / メディアファクトリー

コミックの場合

「となりの怪物くん(1)」 ろびこ(著)/講談社


 PRS-T3Sのレビューでも指摘した前ページの残像が出る現象は、Kindle Paperwhiteの方が顕著だった。濃淡がはっきりしている部分ではほとんど発生しないが、薄いスクリーントーンが貼ってあるような所では、頻繁に下図のような残像が見られた。裏写りしているようで、ある意味で紙っぽい。もちろん、6ページに1回の白黒反転更新が発生した直後はきれいに表示される。気になるようであれば読書オプションの「ページの更新」設定をオンにすれば、毎ページ画面更新されるようになる。また、書籍(文字モノ)ではこうした現象は見られない。


薄いスクリーントーンが貼ってあるような所で、前ページの残像が残る 薄いスクリーントーンが貼ってあるような所で、前ページの残像が残る
まるで薄い紙に印刷したら裏写りしてしまったような状態だ まるで薄い紙に印刷したら裏写りしてしまったような状態だ

まとめ

 2012年モデルから2013年モデルへの進化は、画面の更新速度アップ、白黒反転の更新頻度減、内蔵ライトの改善、内蔵メモリの増加に留まらず、ソフトウェアにも各所に改善が図られていた。

 利用頻度の高いメニューを階層の浅い場所や目に触れやすい場所へ出し、ユーザーのタップ回数を減らすようにしている。いままでより一段階完成度の高い端末に仕上がっていると言えるだろう。タップからの反応速度が速くなっているので、特に文字入力をするのがかなりラクになっている。2012年モデルに不満を感じている人は、買い替えを検討してみてもいいだろう。

著者プロフィール:鷹野 凌

鷹野 凌

 フリーライター。ITmedia eBook USER、ダ・ヴィンチ電子ナビ、INTERNET Watch、マガジン航などに寄稿。ブログ「見て歩く者」で、小説・漫画・アニメ・ゲームなどの創作物、ボカロ・東方、政治・経済・国際などの時事問題、電子出版・SNSなどのIT関連、天文・地球物理などの分野について執筆。電子書籍『これもうきっとGoogle+ガイドブック』を自己出版で1〜3巻まで配信中。

 Google+のアカウントはこちらTwitterのアカウントはこちら


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

コンテンツパートナー

新刊JP
ラノコミ.com
hon.jp
新文化通信社
Good E-Reader Blog
ぶくまる