遂に明らかになる百鬼夜行・黒幕の正体 激震走る『妖狐×僕SS』最新10巻

妖怪の先祖返りたちとそのSSが対面する運命を描いた大人気作、『妖狐×僕SS』最新10巻をレビューします。

» 2013年11月19日 17時00分 公開
[ラノコミどっとこむ]
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 主人公・白鬼院凛々蝶(しらきいん りりちよ)や、そのボディガードであるSS(シークレットサービス)御狐神双熾(みけつかみ そうし)

『妖狐×僕SS』10巻 『妖狐×僕SS』10巻

 彼らのような、妖怪の先祖返りたちが集う最高級セレブマンション、メゾン・ド・章樫(あやかし)、通称:妖館(あやかしかん)に暮らす住民とSSとの間に起きた妖しい日常や、彼らが対面する残酷な現実、挑まなければならない運命を描いた大人気作、“いぬぼく”こと『妖狐×僕SS』(ガンガンコミックスJOKER/スクウェア・エニックス)。

 今回は、その最新10巻をご紹介します。

 10巻では前巻に引き続き、自分や大切な人の死にさえ直面するかもしれない危機、百鬼夜行を契機にして、バラバラになってしまった妖館の住民たち、それぞれがその後どのように動いたのかが描かれています。

一人になりたかった もう誰も傷つけない為に
でもそこでみんなに会った
御狐神くんに会った
一人になる為に妖館へ行ったはずなのに
今は「みんな」に帰る為に

 連れ戻された実家で両親と対峙し、自分のうそ偽りのない気持ちを話した凛々蝶。

じゃあただの残夏として一緒に帰ろう
SSじゃなくていい SSとか住人とかもうとっくに関係ない!
みんなで!! 守るんだ!!
自分のこともおまえもあいつも!! みんなでだ!!
おまえだけの気持ちと思うな!!

 昏倒し、もう自分では渡狸(わたぬき)を守れない、SSをやめるという残夏(ざんげ)に対して、思いをぶつけ、成長した姿を見せた渡狸。彼は、その逞しく成長した心でカルタの元へ向かいます。

 実家に囚われ、追い詰められながらも、裸でだって堂々と帰ると啖呵を切る野ばらを、無茶しすぎだと苦笑しながら迎えにきた反ノ塚 (そりのづか)。拘束されたままの双熾を救出すべく動き出す凛々蝶。そして、ひとり行動する青木院 蜻蛉(しょうきいん かげろう)

 それぞれの葛藤を経て、再び妖館に集う彼ら。そんな彼らの再会の様子には、心がじんわり温かくなっていきます。けれど、その場に届いた一本の電話によって物語は再び緊張に包まれます。

 果たして、百鬼夜行の裏側にある真実とは何なのか。彼らに襲いかかってきた残酷な現実とは何なのか。すべては本編にて、皆さんご自身の目で確認してください。

 それにしても最終章というだけあって、文字通り衝撃の展開の連続です。そして、やっぱり蜻さまはドSです。これ以上はわたしの口からは言えません……言いたくありません。

 と先ほどから、不安をあおるようなコメントばかりしていますが、この10巻には本編のほかに番外編、ギャグ満載の彼らの日常も描かれていますので、こちらで箸休めをして、本編を読み進めるのもオススメです!

 とにもかくにも1ページたりとも見のがすことのできない急展開を見せる、いぬぼく最終章。こんなに次の巻が待ち遠しいなんて、作者の藤原ここあさんはドS!

(評:ラノコミどっとこむ編集部/やまだ)

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