まともな顧客サービスすら提供できていない電子書籍リーダー/タブレットの販売企業は数百と存在する。そんな中、AmazonがHDXタブレットライン向けに用意した「Mayday」という機能は業界に何を語りかけるのか。
AmazonがHDXタブレットライン向けに用意した「Mayday」という機能。Amazonの専任オンラインサポート担当者にユーザーをつなげるインタラクティブ機能だ。この機能により、トラブルシューティング技術を案内したり、デバイスをコントロールしたりできる。Maydayはテック企業が顧客サービスで採るアプローチの手法に革命を起こすだろうか。
AppleとSamsungは一群の最新デバイスで最高レベルの顧客満足度を享受している。JD Powersの最新リポートでも価格や顧客サービスといった要素がそうした満足度を醸成する要素だとしている。Appleは顧客が確実なトラブルシューティングへの助言やトレーニングも受けられるジーニアスバーの存在によって数年間、トップの地位を保っている。同社の電話システムも数分でサポート担当者にアクセスでき、さらに電子メールでのフォローアップが行われ非常に信頼性が高い。
テック企業のほとんどはひどい顧客サービスを提供している。例えばKoboは、サポートにおいて、電子書籍リーダー・タブレット業界全体で最悪の企業の1つだ。
われわれは1時間待たされたり、上位のサポート担当者しか対応できないといわれ、第1段階のサポート担当者から結局電話がかかってこなかったり、電子メールでのフォローが行われなかったことをまくしたてる何千もの顧客を知っている。コールセンターは北米外を拠点としており、ほとんどのサポート担当者は基本的な技術サポートすら提供できない。
まともな顧客サービスシステムすら持たない電子書籍リーダー/タブレットの販売企業は数百と存在する。それらの企業にコンタクトしようとすると通常はヘルプフォーラムを訪問し、そこでの回答を何日も待つといったことになる。ほかのケースでは、質問を送信するための一般的な電子メールアドレスのみが存在し、メールはしばしば無視されるといったこともある。
AmazonはMaydayによって、ほかの企業に通告している。Maydayは24時間365日コンタクトできる。サポートと話すにはWebカメラが必要だが、サポート担当者からユーザーは見えず、ユーザーからだけサポート担当者が見える。セッションを開始するにはWi-Fiに接続している必要があり、キャリア回線経由では機能しない。素晴らしい特徴の1つはライブチャットウインドウをタブレット上のどこにでもドラッグでき、それが固定されないことだ。
確立された顧客サービスの典型の本質は企業にとっては自社と顧客との間に壁を設けることだ。ボイスメールに埋もれたり、電子メールの返信を待つ代わりに、Amazonであればユーザーは数秒で問題を解決できる。
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