トルコ、電子書籍の付加価値税を引き下げる法律を施行

電子書籍は本かソフトウェアか。紙・電子書籍が同じ付加価値税率を持つべきと認めたトルコの動きは市場にどう影響するか。

» 2014年01月15日 12時48分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
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 近年成長著しい電子出版。その初期に論争となっていたものの1つは、電子書籍が消費者・出版業界にどのようにとらえられているかだった。ドイツなど一部の国々の政府は、最初に電子書籍を本であると同時にソフトウェアとして、2つの別々の実体であるかのように取り扱うことまで行った。

 この問題は租税構造のため書籍販売者と消費者に大混乱を巻き起こしたドイツで大きな懸念を呼んだ。政府は電子書籍を紙書籍であるかのように扱い、つまり電子書籍を含むすべての書籍は国中で同一価格で販売されなければならないとする法律の犠牲となったが、一方でソフトウェアダウンロードとしても取り扱われたため、紙書籍に対する7%ではなく19%の税率が適用された。これは明らかに電子書籍の初期の離陸を妨げるもので、消費者は紙書籍と同じ価格を電子書籍にも支払う必要があり、かつ2倍以上の税金を支払っている。

 この問題は電子出版が書籍経済の中で一定の地位を築き続けておりほとんど解決されたのだが、トルコも電子書籍の付加価値税率を18%から8%に引き下げる立法を最終化した国々に2013年12月になってようやく加わった。

 IPA(International Publishers Association)事務局長のジェンズ・バメル氏はトルコが「紙・電子書籍が同じ付加価値税率を持つべきと認めた少数ながらも増加傾向にある国々に加わった」ことを賞賛し、「さもなければ、政府は電子書籍へと動く読者の選択に干渉します」と述べた。

 新規税率は今月はじめに有効になり、願わくば(書籍に税金を課す米国の州を含む)ほかの市場でも――紙であれ電子であれ――消費者にとって書籍購入をより魅力的な選択にすることの利益を目の当たりにしてほしい。

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