出版後550年が経過した聖書の電子化、出版についての議論を引き起こす

電子化されたグーテンベルク聖書内に関する議論が巻き起こっている。用いられている画像の権利に起因するものだ。

» 2014年01月21日 12時30分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
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 インターネット上の真のニュースは、煽りや文法的に不正確な醜さを抜きにすればコメント欄で発生する。電子化されたグーテンベルク聖書の画像を共有するポストは、本自体の歴史的意味に関する多くの背景情報だけでなく、言語と印刷の進化を目の当たりにする機会を読者に提供するものだった。

 やりとりのほとんどは聖書そのもの、つまり、それが書かれた当時のスタイルと文法的慣例に関してであったが、今回、プロ品質の非侵襲的・非破壊的写真によって行われた電子化作業自体について深刻な懸念が寄せられた。あるユーザーの会話によると、それぞれのページにある写真の著作権により、Wikipediaを含むさまざまなWebサイトとの利用条件によりオンラインでは利用できないという。

 huskyrによると「そのような素晴らしいインタラクティブな方法でこの出版物をオンライン化する取り組みを賞賛したが、ページ下部にクリエイティブ・コモンズのBY-NC-SA(表示-非営利-継承)ライセンスを確認してショックを受けた」という。

 「それとは別に、パブリックドメインの作品にどのようなライセンスであれ追加することは著作権法的に問題がある。Bridgeman対Corelの訴訟やほかの国々での同様の法律を考慮すると、(このテキストのような)2次元のパブリックドメイン作品の複製に更新された著作権法は適用されない」。

 これに寄せて、別のユーザーrmk2は自身の法解釈も合わせて返信している。

 「リンクされた記事を正しく理解しているとすれば、これらの規定が今回の電子化が行われている英国の法律下でどのような効果を及ぼすのか誰にも分からない。同様なケースが法廷に持ち込まれるまで、実際にこのケースが著作権の対象となるかを示唆するものはほとんどないようだ」。

 貴重なテキストを保存しようとする幾つかの企業の試みを取り巻く法廷闘争は、テキストが広く公共の消費と操作の対象として入手できることへの懸念をしばしば内包してきた。しかし、貴重で代えがたいこれらの電子化をサポートする人々は、その作業を前進させる理由としてこのことに言及してきた。これらの歴史の一片は、マウスのクリック1つで世界中から閲覧可能にできるにもかかわらず、公共、グローバルでの利用から切り離されている。

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