11月4日に発売された、Kindleシリーズのハイエンドモデル「Kindle Voyage」。その特徴をピンポイントでピックアップして、動画や写真を使って紹介していく。
11月4日、Amazonから発売された電子書籍リーダー端末「Kindle Voyage」。
Amazonのサイトに行くと、「300ppiの超高解像度e-inkディスプレイ」「直観的なページめくりボタン」「自動調整フロントライト」「わずか7.6ミリ」など、Kindle Voyageがいかに高性能であるかを表現した言葉が並ぶ。至福の読書体験を追求して作り込まれたKindle Voyageは疑いなくKindleシリーズのハイエンドモデルだが、価格も2万円越え。本当に購入に足るものなのか、慎重になっている方も少なくないだろう。
そこで、ユーザーの視点から気になる部分をピンポイントでレビューしたものを短期集中連載の形でお届けしたい。
今回は、フロントライトの自動調光機能について検証した。Kindle Voyageには、フロントライトの明るさを自動で調節してくれる機能が搭載されている、果たして本当に最適な明るさに調節してくれているのだろうか。
明るさを表わす数値にはルクス(lx)という単位が用いられている。日本工業規格(JIS)によると、読書に最適な数値はだいたい300〜750だという。ここでは明るさを測定するのに、Panasonicが提供しているiOS専用アプリ「REPLE(リプレ)」を使用してみた。簡易的ではあるがおおよその目安にはなるだろう。なお、検証時の室内の明るさは450ルクス前後。以下は、いずれの数値も10回ほど撮影して、その平均値に近いものを掲載している。
これによると、最大値では583ルクスで、最低値にすると204ルクスで300を下回った。自動調光をオンにすると、明るさの度合いは17で334ルクスとなった。
同様に、Kindle Paperwhite(2013年モデル)も測定して明るさを比較してみた。
Kindle Voyageの方がわずかながら明るいことが分かる。これは目で見ても違いが分かるので、納得できる数値となった。
さらにフロントライトを搭載していないSonyの「PRS-T3S」でも明るさを測定してみた。
実際どのように自動調光機能が機能するのかは動画にまとめた。左がKindle Voyageだ。暗くすると自動調光機能によってKindle Voyageのディスプレイが暗くなっていくのが分かる。
ところで記事の冒頭、Kindle Voyageの特徴が書かれた画像の自動調整フロントライトの項目の最後に、「――利用するにつれあなたの好みを学習」すると書いてある。どうやらKindle Voyageには、ユーザーの好みの明るさを記憶してくれる機能があるようだ。どういうものなのか検証してみた。
例えば暗い場所にいて、もっと明るい画面で読みたいと思った場合。とりあえず明るさを15まで上げてみる。
すると、自動調光機能の明るさの下限が15に決まり、暗闇であっても15未満には下がらなくなる。
そして、ライトを切って自動調光機能に任せてみると……。
幾つかのテストケースで試してみた結果、どうやら、直前に指定した任意の明るさレベルを記憶し、たとえ周囲が暗くなったとしてもその明るさ未満にはならないように保つ機能を備えているようだ。ちなみに、スリープや再起動などをしても明るさは15のままだった。また、明るい場所で、もっと画面を暗くしたいというような場合も、自動調光機能をONにしたまま希望の明るさまで下げると、自動調光ではそれ以上に明るくなることはない。
今回の検証では、Kindle Voyageは2013年発売のKindle Paperwhiteからフロントライトの明るさが向上していること、そして、自動調光機能はある程度読書に適切な明るさを保つことと、簡単な学習機能も備えていることなどが分かった。引き続き検証していきたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.