出版業界ニュースフラッシュ 2014年12月第3週

日書連が再販制度の弾力的運用に言及したほか、電子雑誌の広告についてのアンケート結果などが発表されています。

» 2014年12月22日 11時00分 公開
[新文化通信社]
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電子雑誌、「広告なし」が69% 出版社アンケートで(雑協)

 日本雑誌協会の広告第4小委員会は先ごろ、会員出版社56社(257誌)に電子雑誌に関するアンケートを実施した。すでに電子雑誌を手がけているのは71%(40社)、発行別では月刊誌が60%(155誌)で最も多く、週刊誌は7%(17誌)、季刊誌は13%(33誌)。

 一方、広告については、本誌からの転載も含めて「掲載なし」が69%(171誌)と圧倒的だった。「あり」と答えた76誌のうち57誌(77%)は、本誌と同様の原稿形式のみの掲載。3誌(4%)がディスプレイ型広告、14誌(17%)がその両方の併載だった。

※回答対象の「電子雑誌」は各社の定義によるが、Webサイトやアプリケーションは含まない。

日書連の舩坂良雄会長、再販弾力運用に意欲

 12月17日、日書連は東京・日比谷の帝国ホテルで「年末懇親会」を行い、舩坂会長(大盛堂書店)が、「書店と業界全体が良くなるような、また読者が喜ぶような提案をしたい」と述べ、部分・時限再販など、再販売価格維持契約の弾力的運用に前向きな姿勢を示した。今後の消費増税に改めて軽減税率の運動を展開する方針を打ち出して出席者に協力を求めた。

 書協の相賀昌宏理事長(小学館)と取協の藤井武彦会長(トーハン)が祝辞を述べた。当日は書店、取次会社、出版社など約250人が参集した。

文教堂、「ブック・オブ・ザイヤー2014」暫定版を発表

 2014年1月1日から12月8日までの、同社BIGNETの販売データから各種年間ランキングを発表した。

 総合1位は『TRFイージー・ドゥ・ダンササイズ DVD BOOK』(宝島社)。以下、『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』(アスコム)、『銀翼のイカロス』(ダイヤモンド社)などが続いた。今年も健康関連本が多数ヒット。「アナと雪の女王」関連本も上位100位までに6点、「妖怪ウォッチ」関連本も4点がランクインした。また、文教堂が書店専用にパッケージ化したブルーレイディスク『ゼロ・グラビティ』も64位に入った。

 作家別ランキングでは百田尚樹氏が13万9227冊で1位。他にもコミック・文庫ランキングが発表されている。出版社ランキングを含めた正式な14年度版は来年1月下旬に集計される予定。

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