第35回日本SF大賞に早川書房の2作品、功績賞は『幻魔大戦』シリーズの平井和正

大賞2作品は、藤井太洋の『オービタル・クラウド』、長谷敏司の『My Humanity』。功績賞は1月17日に亡くなった平井和正に贈られた。

» 2015年02月23日 15時10分 公開
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 日本SF作家クラブは2月21日、「第35回日本SF大賞」の受賞作を発表した。大賞には、藤井太洋さんの『オービタル・クラウド』(早川書房)、長谷敏司さんの『My Humanity』(早川書房)が同時受賞した。

『オービタル・クラウド』(藤井太洋) 『オービタル・クラウド』(藤井太洋)
『My Humanity』(長谷敏司) 『My Humanity』(長谷敏司)

 同賞は、2013年9月1日から2014年8月31日までに発表されたSF作品から、ジャンルやメディアを問わず優れた作品に贈られるもの。1980年に日本SF作家クラブにより創設され、徳間書店が後援していたが、第34回からは日本SF作家クラブの独立運営となっている。

 受賞した『オービタル・クラウド』は2020年、流れ星の発生を予測するWebサービス「メテオ・ニュース」を運営するフリーランスのWeb制作者・木村和海が、衛星軌道上の宇宙ゴミ(デブリ)の不審な動きを発見したしたことから始まるペース・テロとの闘いと、近未来のテクノロジーをリアルに描いた巨編。

 『My Humanity』は、2009年に刊行された『あなたのための物語』と同設定の「地には豊穣」「allo,toi,toi」や、『BEATLESS』のスピンオフ「Hollow Vision」、書き下ろし「父たちの時間」の全4篇を収録した長谷さんにとって初の作品集となっている。

 このほか、功績賞には1月17日に亡くなった作家・平井和正さんが選ばれた。平井さんは、1961年に『殺人地帯』がSFマガジン第1回コンテスト奨励賞を受賞してデビュー。『ウルフガイ』『幻魔大戦』シリーズなどで人気を集めた。

 藤井さん、長谷さんには賞金として50万円が贈られる。贈賞式は4月24日、東京都千代田区のホテルメトロポリタンエドモントにて。

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