著書に『東京カフェ散歩 観光と日常』(祥伝社)、『街角にパンとコーヒー』(実業の日本社)他多数
Webサイト「東京カフェマニア」 http://homepage3.nifty.com/cafemania/
紙の本を長年愛してきたのに、お風呂で読書したいがために、とうとうiPad miniにKindleアプリを入れてしまいました。これまで、濡れた手でページをめくったせいで、乾燥後にミカンの皮のようになってしまった本は数知れず。その悩みが電子書籍+タブレット用防水ケースで解決したのです。浴槽でお湯につかっていると、読むことに集中できますね。往年の名作少女漫画『綿の国星』もダウンロードして、今宵も長風呂いたします。
少女時代に読んだ文章は、自分の肉体の一部になった――名随筆家が磨きぬかれた言葉で綴る、若い日に愛した本たちの記憶。読書好きのすばらしい先輩に、そっと胸の内を明かしてもらったような嬉しさが満ちてくる一冊。
一人の少女が成長する過程で出会い、愛しんだ文学作品の数々を、記憶に深く残る人びとの想い出とともに描くエッセイ。
他人の落ち度をとことんやりこめるより、ナアナアで済ます度量を尊ぶ著者。決めぜりふに大阪弁の魅力を駆使して、年齢を重ねてからの人生の妙味、おっさんとおばはんの心の機微を綴るエッセイは、酒の肴にしてもおいしいのです。
やわらかな口調でキッパリと。お聖さんの生き方読本
ここには、良い小説だけが連れていってくれる宇宙があります。数千粒の朝露が輝く蜘蛛の巣を見つめるように、息をひそめ、風が吹かないことを祈りながら、不思議な境遇で生きる弱者たちの精妙で美しい物語を見守る喜び。
チェス盤の下の寡黙な少年、リトル・アリョーヒンの密やかな奇跡を描いた、静かで切なく愛おしい小川洋子の最高傑作!
愛する者の死、悲しみからの再生は著者おなじみのテーマなれど、食べることや飲食店の日常をめぐる洞察が秀逸なこの一編は、大震災の年に出版されたこともあって特に印象深いのです。町の小さな飲食店を愛する人にもおすすめです。
下町の小さなステーキ&ハンバーグのお店「ジュージュー」を舞台に繰り広げられる、おかしくも切ない物語。美津子は両親から受け継いだお店を、遠縁で元恋人でもある進一と共に切り盛りしている。常連のお客さんたちは、みんなどこかに欠落を抱えながらも、精一杯今日を生きている人ばかり。世の中はどうにもならないことばかり。でも、おいしいハンバーグを食べれば、つらいことがあっても元気を取り戻せる! 生きることの喜びをギュッと閉じ込めた傑作。
山、道、神、風などのテーマから読み解く日本文化論。面白すぎて舌なめずりしながらスワイプ! ウツロヒという独特の時間意識をもつ日本人が、花鳥風月というシステムを通して扱ってきた情報の豊かさに驚嘆します。
「花鳥風月」に代表される日本文化の重要なキーワードを取り上げ、歴史・文学・科学などさまざまな角度から分析する。
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