好きなあの子は吸血鬼? 萌えて笑える人外ラブコメ『実は私は』

eBook USERがお勧めのマンガ作品を毎週ピックアップしてお届け。今回はテレビアニメも放送中のマンガ『実は私は』を紹介。

» 2015年09月11日 18時30分 公開
[宮澤諒eBook USER]

 人は秘密を知ったとき、頭では「いけない」と分かっていても誰かにしゃべりたくなってしまうもの。それが重要な秘密であればなおさらだ。

 しかし、その秘密が自分と好きな人を永遠に遠ざけてしまうようなものだったら、どうだろうか――。

 今回紹介する『実は私は』(増田英二)は、『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で2013年に連載を開始した人外ラブコメディー。人外というのは読んで字のごとく“人ならざるもの”、つまり宇宙人やら妖怪やらモンスターといった存在のこと。7月からはテレビ東京系列でテレビアニメもスタートし、いま注目しておきたい作品だ。

実は私は 書影クリックで試し読みいただけます
©増田英二(週刊少年チャンピオン)/じつわた製作委員会

 主人公の黒峰朝陽は、思ったことがすぐ顔にでる隠しごとのできない性格の男子高校生。ババ抜きをすれば表情に出て勝負にならず、「ここだけの話」には参加することも許されない、それゆえに同級生から付けられたあだ名は「アナザル(穴の空いたザル)」。

 ある日朝陽は、以前から好意を寄せていたクラスメイト・白神葉子に告白するため、放課後の教室を訪れる。白神は無口であまり人と接することはなく、学校では友達がいるようなタイプではないのだが、いつも遅くまで教室に残っていた。一体なぜ? その理由は朝陽が開けた扉の向こう側にあった。

『実は私は』(増田英二) ©増田英二/秋田書店 ……え? ©増田英二/秋田書店

 吸血鬼の父と人間の母の間に生まれたハーフ、それが白神葉子の正体。誰かに正体がバレたら退学するという父親との約束があった白神だったが、朝陽の「秘密がバレたことを秘密にすればいい!」という提案を受け入れ、学校にとどまることになる。その際、勢いにまかせて告白しようとした朝陽だったが、なぜか「友達になってください!」と口走ってしまう。考えていることがすぐバレてしまう「アナザル」は白神の秘密を守り通せるのか。ここから朝陽の苦難に満ちた、それでいて充実した毎日が始まる。

 同作には白神以外にも、朝陽の幼馴染で、通称「外道クイーン」と呼ばれる新聞部の部員・朱美みかん、地球を調査するため人間サイズの外部ユニットを操作している宇宙人・藍澤渚、月を見ると狼男の獅狼へと姿を変える「痴女」紫々戸獅穂など、一筋縄ではいかない濃いメンバーが周りを固めている。エロ要素を控えめにして、ラブコメ度を2割増しにした『To LOVEる -とらぶる-』(原作:長谷見沙貴 作画:矢吹健太朗)、または、秘密を守るという意味では、『ニセコイ』(古味直志)にも通じるものがあるかもしれない。

『実は私は』(増田英二) ©増田英二/秋田書店 うれしいと羽根が……隠して隠して! 白神さんはかなり天然なところがある ©増田英二/秋田書店
『実は私は』(増田英二) ©増田英二/秋田書店 関西弁でこの照れ顔は反則だ ©増田英二/秋田書店
『実は私は』(増田英二) ©増田英二/秋田書店 吸血鬼だけど、十字架は「ちょっとイラっとくる」程度で平気らしい。にんにくはたまねぎみたいに目がシパシパするそう ©増田英二/秋田書店

 果たして朝陽は白神に告白することができるのか、それとも白神の方から「実は私は……」と告白する何てことに? 恋愛のどきどき感を楽しみながら、ハイテンションギャグに腹筋を刺激され、白神さんに萌える、そんな勢いのある作品「実は私は」、アニメと一緒に原作も読んでみてはいかがだろうか。

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