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G2010、瀬戸内寂聴氏の未発表作品をドコモの電子書籍トライアルサービスで提供:G2010から初の作品
作家の村上龍氏とグリオが11月に設立したG2010は11月30日、作家の瀬戸内寂聴氏の未発表作品「ふしだら」を、NTTドコモの電子書籍トライアルサービスで提供開始した。
NTTドコモの電子書籍トライアルサービスで無料配信
作家の村上龍氏とグリオが11月に設立したG2010は11月30日、作家の瀬戸内寂聴氏の未発表作品「ふしだら」を、NTTドコモの電子書籍トライアルサービスで提供開始した。2010年12月27日までの期間限定ながら、無料で提供される(ダウンロードしたコンテンツは12月末まで閲覧が可能)。G2010から発表する初めての作品となる。
同作品は、人気エッセイストが16歳の少女に出会い、少女が持つ不思議な魅力に魅かれたが故に苦難に見舞われるエッセイストを描いたもの。
電子書籍ならではの特徴として、3度のレコード大賞を受賞した編曲家の船山基紀氏が同作品にインスピレーションを受けて書き下ろした音楽を、表紙と本文最終章に配置し、独特の世界観を醸し出している。また、瀬戸内氏の希望により、新たに開発した縦書きエンジンが採用されているほか、画面のタップでページ遷移するような仕組みなども取り入れられている。
対応機種はAndroid OS搭載スマートフォンの「Xperia」「GALAXY S」「GALAXY Tab」および今後発売されるスマートフォン。今回の作品は電子書籍トライアルサービスでの提供となるため、直接的な利益は発生しないが、Androidの市場でユーザーの反応を確かめたい考えのようだ。
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