ソニー、自社の新たな電子書籍リーダーにハリー・ポッターシリーズを抱き合わせ
ソニーは、電子書籍リーダーの新モデル「PRS-T1」を魅力あるものにすべく、電子版「ハリー・ポッター」とのコラボレーションを予定している。
われわれは少し前にソニーが幾つかの新たな電子書籍リーダーを開発中で最近その1つがFCCに出現したとレポートした(編注:昨日発表されたPRS-T1である)。この電子書籍リーダーは発売される際に、主要なセールスポイントとしてデバイスにハリー・ポッターの電子書籍が抱き合わせされる。
ハリー・ポッターの電子書籍は、ソニーとデジタルクリエイティブエージェンシーのTHINKが協力するPottermoreから独占的にDRMフリーで販売される。書籍は購入時に購入者と紐付けられ、透かし模様が入るようになっている。つまり、Adobe Digital Editionといったプログラムを使用することなくすべてのデバイスで書籍が利用できるということだ。所有者の名前が書籍のページ上に透かし模様として入ることで、海賊版の阻止に役立つはずだ。この電子書籍はPottermoreのWebサイトで発売されるが、インタラクティブコンテンツの方はしばらく先のことになるだろう。
ソニーとPottermoreは戦略的に提携しており、同社は基本的にオンラインのPottermoreプロジェクトの資金提供を行っている。ソニーは新たな電子書籍リーダーの発売とともにすべてデジタルのハリー・ポッターの電子書籍を提供しようと計画している。読者はそれぞれの書籍のおまけとして著者がその世界を拡張するために長々と付け加えた数千ワードものボーナスコンテンツを入手できる。
ソニーの電子書籍リーダーを購入すると、Pottermoreが提供する最初のインタラクティブ電子書籍に無料で参加できる独占的なインビテーションも入手できる。ソニーの抱き合わせ販売は広告の観点から筋が通っており、子どもたちが今季の休みに新たなおもちゃをねだってくるときに、ほかの新たなデバイスから目をそらすのに役立つだろう。
多くのブログでソニーがどうにか競合に先駆けて契約にこぎ着けたと推測されているが、それはまったく正しくない。Pottermoreの代表者たちは「ハリー・ポッターの電子書籍はPottermoreのWebサイトを通じてすべてのプラットフォームで入手可能になるだろう。ソニーの電子書籍リーダーでのみ書籍が入手可能な期間は存在しないだろう」と述べている。
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