Amazon、MOBIの後継として「Kindle Format 8」を発表
シンプルな組版機能しか備えなかった「MOBI 7」に代わる新たなKindle向け電子書籍フォーマット「Kindle Format 8」がAmazonから発表された。複雑な組版も可能になる。
Amazonは10月20日、長年に渡りKindleの必需品となっており人気があるMOBIファイルフォーマットの後継を発表した。新たなファイル形式は「Kindle Format 8」(KF8)と呼ばれ、電子書籍に次世代の機能を提供しようとしている。
Kindle Format 8はHTML5のサポートを含む多くの新機能と改良が加えられており、MOBI 7に代わる新たなKindle向け電子書籍ファイルフォーマットとなる。KF8の登場により、出版社はKindle Fireの発表時に紹介されたような表現力豊かなフォーマットを必要とする書籍のカテゴリ――児童向け絵本、コミック、グラフィックノベル、技術書、料理本――で素晴らしい見た目の書籍を作成することができる。固定レイアウト、ネスト形式テーブル、吹き出し、サイドバー、SVGなど150以上の特徴を備えたKF8はMOBI形式を代替し、読者が愛するKindle書籍を作成するさらなる機会を提供することになるだろう。
KF8で素晴らしいことの1つは、それが次世代を感じさせることだ。KF8はHTML5とCSS3の最も重要な要素を採用しており、著者と出版社が素晴らしいコンテンツを作成することを可能にする。これにより医学雑誌、教科書、コミック書籍はよりきれいでしっかりとしたものになる。数カ月前に発表されたAmazon Kindle Cloud Readerを覚えているだろうか。わたしはこれらの新たな書籍がブラウザベースのリーダー上でどのように見えるか知りたいと思っている。KF8は新たに発表された「Kindle Touch」を含む第3世代および第4世代のKindleに対応し、ファームウェアのアップデートは今後数週間以内にデバイスにプッシュされる予定となっている。
一方、製作ツールとなるKindle Publisher Toolsのアップデートも今後数週間以内に提供される予定だ。同ツールを使うことで、出版社と著者は書籍の見た目がどのようになるか事前に確認できる。Kindle FireとAmazon Kindleの両方で出版したい場合、新しくなったKindle Publisher Toolsは自動的にそれぞれのファイルを生成するので、異なるなるバージョンの電子書籍を2つ作成する必要はない。
KF8の技術的な詳細はこちらで参照できる。あなたが編集者や著者であり、新しい開発ツールを早く使ってみたければ、こちらで早期アクセスにサインアップできる。
Kindle Format 8の主要な機能は次の通りだ。
- CSSサポート
- フローティング要素
- 固定レイアウト
- 背景イメージ上のテキスト
- 埋め込みフォント
- 数字および点によるリスト化
- ドロップキャップ
関連記事
- Amazon、新たな電子書籍ファイルフォーマット「Kindle Format 8」を発表
AmazonはHTML5とCSS3をベースとした新たな電子書籍ファイルフォーマット「Kindle Format 8」を発表した。 - Kindle Fire向けアプリの開発で注意すべきは? AmazonがFAQ公開
AmazonはKindle Fire向けAndroidアプリの開発で留意する点をまとめた開発者向けFAQを公開した。Android 2.3.4ベースで開発し、Google Mobile Servicesを利用しないことなどが求められる。 - Amazon、切り札は199ドルの7インチタブレット「Kindle Fire」
Amazon.comは、長らくそのリリースがうわさされてきたタブレット「Kindle Fire」をついに発表した。価格は199ドル。さらに、タッチパネルを搭載した「Kindle Touch」を99ドルから、Kindleの最新世代モデルを79ドルで販売する。 - Kindle Fire、事前注文初日で9万5000台以上を販売
Amazonが発表したKindle Fireは、事前注文の初日だけで9万5000台が販売され、その後も1日5万台のペースで注文が相次いでいるようだ。 - Amazonの新型Kindleモデル予約状況がリーク
Androidファンサイトで「Kindle」シリーズ最新4モデルの予約状況が報告されている。Kindle Fireは1日5万台近く注文があるようだ。 - iSuppli、Amazon Kindle Fireの製造原価を209.63ドルと見積もる
iSuppliは、Amazon Kindle Fireの製造原価を209.63ドルと見積もった。価格が199ドルであるため、売れれば売れるほど逆ざやになると考えるかもしれないが、Amazonはコンテンツの販売で元が取れると考えている。 - Amazon、KindleでEPUBをサポートへ――大手出版社に通告
米Amazon.comが複数の出版社に対して、近い将来KindleをEPUB対応にすると通告している。EPUB3.0の登場も迫る中、ワークフロー全体の見直しに着手し始めたといえる。
関連リンク
Copyright© 2015 Good E-Reader. All rights reserved.
(翻訳責任について)
この記事はGood E-Readerとの合意の下でアイティメディアが翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。記事内容に関するお問い合わせは、アイティメディアまでお願いいたします。