GALAPAGOS、1周年を機に生活導線型サービスを強化:グリーなど参加
シャープは、電子コンテンツストア「GALAPAGOS STORE」の1周年を迎え、外部CPとの連携を強化。グリーやバンダイチャンネルなどから生活サービス情報の提供を受け、プラットフォームを拡大していく考えを示した。
シャープは12月9日、同社が運営する電子書籍ストア「GALAPAGOS STORE」で、新たにコンテンツプロバイダー5社と連携、動画や音楽などのサービスの情報提供を開始した。また、同日からAndroidアプリを自社タブレット以外にも開放(Android3.2以上)した。2010年12月10日のオープンから1周年を迎え、プラットフォームを他社に開放する姿勢を示した。
今回の発表により、GALAPAGOS STOREでは、これまで行ってきた電子書籍配信に加え、外部のコンテンツプロバイダー(CP)による音楽や動画などの生活サービス情報も提供していく。この日連携が発表されたCPは以下の5社。交渉は個別に行っているとした。
提供サービス名 | 提供会社 | 提供サービス内容 |
---|---|---|
アプリプラザ | グリー | Androidアプリ紹介情報配信 |
E★エブリスタ | エブリスタ | 投稿小説・コミック情報配信 |
バンダイチャンネル | バンダイチャンネル | アニメ動画紹介情報配信 |
まぐまぐ! | まぐまぐ | メールマガジン情報配信 |
mora touch | レーベルゲート | Android端末向け音楽情報配信 |
これらの生活サービス情報は、アプリ内に新設された「コネクトゲート」と呼ぶボタンから遷移した先で提供する。実際に提供される内容は、それぞれのサービスのTwitterまたはFacebookアカウントが発信している最新情報。GALAPAGOS STOREというプラットフォームの集客力をCPに開放する代わりに、CPのコンテンツ力を付加してプラットフォームの拡大を図るというモデルだ。
ただし、現時点では外部CPが提供するのは最新のトピックであり、それぞれのCPが提供しているコンテンツがアプリ内で一元的に購入・管理できるわけではない。
「コンテンツをGALAPAGOS STOREの中から配信するにしても、外部から配信するにしても、ユーザーに届くコンテンツの情報は変わらない」(シャープ 通信システム事業本部ネットワークサービス事業推進センター事業企画室長、片山三千太氏)
GALAPAGOS事業はもともとこうしたビジョンを掲げており、生活サービス情報の範囲も娯楽にとどまらず、教育や医療なども視野に入れられている。GALAPAGOS STOREの前身は、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と共同で設立した「TSUTAYA GALAPAGOS」。2011年9月にシャープが完全子会社化する以前は動画の提供も試験的に行われていたが、自社で提供するのではなく、外部と協力する姿勢に傾きつつあるようだ。こうした紆余(うよ)曲折があるとはいえ、今回外部のCPと協力することで、シャープの言葉を借りれば「GALAPAGOSは進化」しているということもできるだろう。電子書籍についてはEPUB 3についても言及、コンテンツが増えてくればビューワを提供したいと述べている。
「GALAPAGOS STORE」この1年の歩み。なお、12月6日には、東日本旅客鉄道(JR東日本)がシャープ製のメディアタブレット(EB-A71GJ-B)を案内機器として採用することが発表されており、こうした業務用への採用が進むことを期待しているという
電子書籍を娯楽の1つとするなら、現代の娯楽は音楽、映画、ゲーム、ソーシャルゲーム、ソーシャルネットワークなど多様化しており、ユーザーが書籍に割く時間は相対的に下がっている。いかに自らのプラットフォームに滞在してもらうか、言い換えればユーザーの可処分時間をどれだけ確保できるかというチャレンジが現代のコンテンツ配信サービスにおけるポイントの1つであり、シャープは外部CPと協力しながらそれを実現していく考えだ。
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