大日本印刷、電子書籍データの格納・閲覧ができる「TinySmart」を開発
大日本印刷は、高セキュリティなmicroSDカード「TinySmart」へ暗号化した電子書籍データを格納し、タブレット型端末で閲覧できるようにする専用ソフトの提供を開始。1月14日より札幌市中央図書館の電子図書館実証実験に採用されている。
大日本印刷は、暗号化した電子書籍データの格納・閲覧ができる高セキュリティなmicroSDカード「TinySmart」と専用ソフトの提供を開始する。
TinySmartは、ICカード用のOSを搭載したmicroSDカードで、コンテンツの安全な管理のために専用の暗号・復号ソフトや電子書籍データの不正コピー防止をはじめ、端末やTinySmartの盗難・紛失における電子書籍データの漏洩を防ぐというもの。
札幌市中央図書館は、今後の電子書籍貸出サービスを想定した電子図書館実証実験を1月14日から実施。電子書籍のメリットや課題を検討するため、自宅のPCやテレビ、図書館から貸与するタブレット型端末などの機器による見え方や使い勝手などをモニターが検証していく。利用される電子書籍は20タイトル。利用者の多くは電子書籍をダウンロードした経験がないため、大日本印刷はタブレット型端末に暗号化した電子書籍データを格納済みのTinySmartを搭載し、貸し出すという方法を提案。
TinySmartのFlashメモリへ保存した電子書籍データには、メディア紛失や盗難時の情報漏えい・不正ダウンロードからデータを守る対策が施されている。例えばセキュアチップ内に復号化用の鍵を保管し、専用ソフト以外からのアクセスを困難にしているほか、予め専用ソフトをインストールしておくことが必要。また、利用者が端末から入力した暗証番号とTinySmart内に保存されている暗証番号を認証してから閲覧できるようにしたり、専用ソフトとTinySmartの組み合わせが正しいか起動時に認証を行うなどの特徴がある。
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