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紙の教科書を全廃してよかった――コネチカット州の私立校が講演
昨年度入学の新入生から紙の教科書をすべて電子教科書に置き換えた米国コネチカット州の私立校がその効果をIDPFのカンファレンスで語った。
米国の電子書籍ニュースサイト「The Digital Reader」によると、ニューヨーク市内で現在開催中の電子書籍業界カンファレンス「IDPF Digital Book 2012」で、昨年度入学の新入生から紙の教科書をすべて電子教科書に置き換えたSouth Kent Schoolの教頭が講演を行なった。
South Kent Schoolは、米国コネチカット州にあるいわゆる富裕層向けの全寮制私立学校で、9〜12年生(日本でいう中学3年生〜高校3年生)を抱える。記事によると、同校では昨年度の新入生から紙の教科書を全廃し、iPad 2を全員に支給。教員が指定した文芸書や教科書、紙資料などは原則としてPDF形式またはInkling形式のものを採用し、校内連絡もほとんどネット上で行なわれているという。
講演の中で、同校のフィル・ダリン教頭は「今の小学生たちは将来、本校よりも優れたデジタル環境の中で学校生活を送ることになるだろう」「今まで一方向だった授業内のコミュニケーション形式が、双方向に大きく変わった」と成功の抱負を語った。
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