タブレットに“本物”のキーボード体験をもたらす最新タッチスクリーン技術
「タブレットやスマートフォンのソフトキーボードにはどうも慣れない」――そんな風に感じる方は、Tactile Layerという技術に注目してほしい。スクリーンが盛り上がり、物理的なボタンになるというこの技術は2013年には製品として登場しそうだ。
ディスプレイが必要に応じてキーボードのボタン配列を模してせり上がり、用が済めばさっと平らになる――そんなSFのようなディスプレイがあるとしたらあなたはどう思うだろう。これを実現するTactile Layerという技術は、今後登場するであろうタブレットデバイスなどに採用されても不思議でないほど開発が進んでいるといえるかもしれない。先日ボストンで開催されたSID Display Week 2012では、この革新的技術のデモがAndroidタブレット上で披露された。
「Touch RevolutionはTactus Technologyとの新たな提携を発表できることに非常に興奮しています――Tactus TechnologyのソリューションとTouch Revolutionの業界をリードするタッチスクリーンディスプレイは理想的かつ革新的な補完関係にあります」とTouch Revolutionの創業者でCTOのマーク・ハンブリン氏は語る。「それぞれの持つ技術を組み合わせて利用する新モバイルデバイス、コンシューマー向けデバイスが2013年に登場するのを心待ちにしています」。
Tactile Layer技術を用いたディスプレイはほかのタッチスクリーンの表面と同じくらい平らで滑らか。しかし必要に応じて形状が変化するとあって、本物のキーボード体験を望むスマートフォンまたはタブレットユーザーにとっては福音となるだろう。仕組みとしてはマイクロ流体工学を応用したもので、パネル内の液体をミクロレベルで制御することで、ディスプレイをさまざまなサイズ、高さ、硬さで形状変化させている。これは現在多くのタッチスクリーンディスプレイがユーザーへのフィードバックとして採用している『振動による触感フィードバック』とはまったく異なるアプローチだ。
同分野では同様の技術開発が盛んに行われている。ある日本企業は「ユーザーがタッチスクリーンディスプレイの形状をハイテク粘土のように成形できる」というアイデアを試みたし、Nokiaはスマートフォンユーザーがデバイスからのアラートを実際に肌で感知できる『磁性タトゥー』というアイデアを持っていた。こうした数ある技術の中でも、Tactile Layer技術ベースのディスプレイを搭載したものが最も早く出てくる可能性が高い。もちろん、スマートフォンや携帯ゲーム機もこの素晴らしい技術の恩恵を受ける可能性があるだろう。
この技術が早く実現されますように。
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