書籍にレーティングシステムは必要か――このトピックは十人いれば十人が異なる意見を持っていそうな繊細なトピックだ。
映画や音楽、ゲームといった業界では基本的なレーティングレベルを持っており、(欠点はあるかもしれないが)購入しようとするコンテンツがどのようなものか消費者にある程度周知する役割を担っている。ゲームと映画は、暴力描写、冒とく表現、性的描写に対してレーティングが存在し、音楽は冒とく表現や示唆的内容であってもレーティング対象となる可能性がある。一部のケースでは、年齢制限により、未成年者の購入が認められないこともある。
では、書籍、特にそれぞれの年齢で成熟度もかなり違う若年層向けに販売されている書籍に同様のシステムは必要だろうか。
NovelBookRatings.comといったWebサイトによると、恐らくあった方がよいという。本への評価とレビューが二者択一の判断を下すことなく直接的で有益であれば、親たちが本を若年層の読者に渡す前にコンテンツについて周知することに何か害があるだろうか。
いわゆるアドボカシー・グループが書籍の発行禁止と検閲を正当化するために評価システムを利用するのは有害だ。学校と公立図書館などが一部の大人が不快だと感じるコンテンツへのアクセスを認めると、大抵は批判にさらされる。こじつけのように感じるかもしれないが、ALAの発行禁止書籍リストを見てほしい。そこには一部の驚くようなタイトルだけでなく、本棚から書籍を取り除くための馬鹿げた言い訳もリストされている。例えば『アンネの日記』は、自身の妹とともに強制収容所で非業の死を遂げる前の2年間、家族とともに身を隠していたユダヤ人の若い女性、アンネがレスビアンだったことへの言及が原因で学校での利用が禁止されている。
しかし、スザンヌ・コリンズ氏のハンガー・ゲーム三部作、ジェームズ・ダシュナー氏のMaze Runnerシリーズといった中学生とヤングアダルト向けの暴力描写の許容レベルを押し上げた評価の高い書籍の出現を勘案すると、現在は出版社が自主的に行なっている適合年齢レベルのリスト化を必須にすることを考えるタイミングなのだろうか。
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