出版デジタル機構は10月26日、紀伊國屋書店との契約締結を発表。出版デジタル機構が預かるコンテンツを配信、販売することで合意した。電子書店との契約はこれが初で、第一弾であるとしている。
出版デジタル機構は、出版物の電子化支援を掲げこの4月に設立された同組織は、投資ファンドの産業革新機構が総額150億円を出資したことでも話題を呼んだ。経済産業省が進める「コンテンツ緊急電子化事業」(緊デジ)とも連携しながら、電子書籍制作と配信のサポートを軸に電子出版市場のインフラとしての役割を担っていくとみられている。
今回の契約締結で、出版デジタル機構が提供する電子コンテンツを紀伊國屋書店で配信・販売し、同社の電子書籍アプリ「Kinoppy」で閲覧可能になる。緊デジで電子化されるコンテンツのほか、既に電子化されているコンテンツも、EPUBフォーマットを中心に配信していく予定。取次、配信のシステムは7月に発表したビットウェイとの協働構築が完成し、現在、最終的な調整注。テストが完了次第、稼働開始するとしている。
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