電子書籍市場は2017年度に2343億円規模へ――富士キメラ総研調査
富士キメラ総研が国内の電子書籍サービス市場を調査。同市場は2012年度で654億円、2017年度には2343億円規模になると予測している。
富士キメラ総研は、国内のブロードバンド・モバイルサービス市場の調査を実施、その結果を報告書「2013 ブロードバンド・モバイルサービス総調査」としてまとめた。同調査で国内の電子書籍サービス市場は2012年度で654億円、2017年度には2343億円規模になると予測している。
同調査は、コンシューマ向けサービスおよび関連プラットフォームサービスを対象にまとめられており、このうち電子書籍サービス市場は以下のようにまとめている。
2012年度見込み | 2017年度予測 | |
---|---|---|
電子書籍サービス | 654億円 | 2343億円 |
内、スマートフォン向け | 162億円 | 1672億円 |
内、電子書籍専用端末・タブレット端末向け | 20億円 | 440億円 |
同社の調査結果から読み取れるのは、2012年時点の電子書籍市場は、スマートフォンやタブレット、専用端末以外、つまりフィーチャーフォンなどに代表されるプラットフォーム向けのサービスが依然として市場の7割程度を占めていること。サービスのマルチデバイス対応に伴い、この辺りの切り分けは難しくなってきているが、同社では事業者へのヒアリングなどを通じて、2012年度のスマートフォン向け、電子書籍専用端末・タブレット端末向けの市場規模をそれぞれ162億円、20億円と見込んでいる。
同社によると「2012年度は『Kindle』『Kobo Touch』など専用端末の展開や、Apple、Googleによる7インチタブレット端末の投入など端末市場も動きが見られ、電子書籍専用端末・タブレット端末向け市場も拡大が予測される」としているが、そうした電子書籍専用端末・タブレット端末向け電子書籍サービスは2017年度の予測で440億円規模。主流はスマートフォンだとしており、スマートフォン向けの電子書籍サービスは2017年度に1672億円規模へ拡大すると予測している。
電子書籍サービス市場について、「提供コンテンツが限られていたことや、閲覧に適した端末の普及が進まなかったことから限定的な市場であった」と同社は評価。なお、同社は過去に(電子書籍市場は)2014年度に3000億円規模になると予測している。
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