Overdrive、ALA2013でLibrary Media Stationを発表
図書館へのコンテンツ貸出を仲介するOverdriveが「Library Media Station」と呼ばれる図書館向けのキオスク端末を発表した。
Overdriveは現在、図書館へのコンテンツ貸出を仲介する最大の電子書籍企業だ。先日シカゴで開催されたALA(American Library Association)2013で同社は新たなLibrary Media Stationを発表した。
Overdrive Media Stationはユーザーが図書館の電子書籍、オーディオブック、音楽、動画のコレクションを閲覧できるタッチスクリーン端末だ。Webブラウザ向けEPUBビューワ「Overdrive Read」によりサンプルを読んだり、端末上でオーディオを聞いたりできる。QRコードとメールアドレスの入力項目が用意されており、ユーザーが借りたいあらゆるコンテンツの複製をダウンロードするためのリンクをすぐに送信してくれる。
この動画のMedia StationはオールインワンタイプのPCだが、図書館がほかのハードウェアベンダーとライセンス契約を締結している場合は自前のタッチスクリーンコンピュータを利用することもできる。Overdriveのデビッド・バーレイ氏は「図書館は最適化された27インチタッチスクリーンコンピュータをOverdriveから購入するか、自前のPCを利用できます。自前のPCへの導入を決めた場合、すべてが適切に機能するようにパートナーと協力します」と語った。
Media Stationが素晴らしいのは、図書館がコレクションを公開する際の柔軟性が非常に高い点だ。メインのホーム画面で取り上げたいジャンルについて独自セクションを作成できる。これはヤングアダルトから追加した最近のベストセラーに至るまで何でもよい。もちろん、図書館のロゴとキャッチコピーを表示するブランディング上のオプションも存在する。
この動画を見て新たな動画ストリーミングサービスの存在に気付くかもしれない。Overdriveはひそかにβ版の機能をテストしており、そのプログラムに関する公式な発表は今のところない。分かっているのはOverdriveが何百本もの映画に関してParamount Picturesとの契約にサインしたことだ。Overdriveは現在、ほかにも4つの契約を結ぼうとしており、いずれPPV(ペイパービュー)イベントを立ち上げするだろう。
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