3MとKobo、図書館での電子書籍販売で提携
日本でもようやく図書館向け電子書籍貸し出しサービスの議論が本格化してきたところだが、海外では、3MがKoboと提携し、利益還元型の電子書籍購入プログラムを発表した。
3Mは図書館がWebサイトで電子書籍を販売できるソリューション(3M Cloud Library)でKoboとの提携を発表した。このソリューションは、図書館利用者がBUYボタンをクリックすると、Koboの電子書店にリダイレクトされ電子書籍が購入できる仕組みだ。3Mは本の売り上げの一部を図書館に寄付し、3M Cloud Libraryから追加の電子書籍を購入する際の資金として利用できるようにする考えだ。図書館の予算が常にプレッシャーにさらされる中で、この追加収入は書籍のコレクションを強化する上で価値ある方法となるかもしれない。
「このプログラムで、電子書籍売り上げの一部は図書館に寄付されます」と話すのは、3M Library Systemsのグローバルビジネスマネージャー、マット・テンペリス氏。「Koboは電子書籍リーダーを代表する企業なので、このイニシアチブの理想的なパートナーとして浮上しました。電子書籍購入を通じて図書館をサポートするKoboとの提携に興奮しています」。
この新電子書籍購入プログラムは現在3Mと取引のある500の図書館すべてで利用可能となる。11月中旬に立ち上がる予定で、図書館はプラグラム参加を行うか選択できるはずだ。ALA(米国図書館協会)にとってはなはだ残念ではあるが、これは図書館が小売企業として振る舞う動きをさらに確実なものにするだろう。
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