Amazon、Kobo、ソニー――出そろった各社の電子書籍端末新モデルを比較
Koboが「kobo Aura」を発表し、毎年新モデルを発表するAmazon、Kobo、ソニーの2013年モデルが出そろった。これらを比較してみよう。
10月17日、Koboが電子書籍リーダー端末の新モデル「kobo Aura」を日本市場に投入することを発表しました。この後年末にかけてスポット的に新製品を発表する企業もあるかもしれませんが、ここ数年、毎年電子書籍リーダー端末の新機種を発表しているのはAmazon、Kobo、ソニーの3社に絞られます。その3社の2013年モデルが出そろったということで、それぞれの端末はどう進化したのか比較しながら紹介します。
出そろった3社の2013年モデルはいずれも6インチ(1024×758ドット)の端末。それぞれのスペックは以下の通りです。なお、Koboは6.8インチ(1440×1080ドット)の「kobo Aura HD」も海外では発売していますが、こちらの国内発売未定です。
Kindle Paperwhite(2013) | kobo Aura | PRS-T3S | |
---|---|---|---|
サイズ(※最厚部) | 117(幅)×169(奥行き)×9.1(高さ)ミリ | 114(幅)×150(奥行き)×8.1(高さ)ミリ | 107(幅)×160(奥行き)×9.5(高さ)ミリ |
重量 | 206グラム | 174グラム | 約160グラム |
採用電子ペーパー | E Ink Carta | E Ink Pearl | E Ink Pearl |
通信方式 | 802.11 b/g/n | 802.11 b/g/n | 802.11 b/g/n |
内蔵ストレージ | 4Gバイト | 4Gバイト | 約2Gバイト |
メモリカードスロット | なし | microSD/SDHC | microSD/SDHC |
フロントライト | あり | あり | なし |
バッテリー持続時間(メーカー公称値) | 最長8週間 (明るさ設定10、無線接続オフで1日30分使用時) |
最長約8週間 (ライト、無線接続オフで1日30分使用時) |
最長2カ月(無線オフ時) |
カラーバリエーション | ブラック | ブラック、パールグレー | ブラック、ホワイト、レッド |
国内発売日 | 10月22日 | 12月上旬 | 10月4日 |
価格 | 9980円 (11月30日まで1980円分のクーポン付与) |
1万2800円 (予約特典としてポイント10%還元、純正ケース付き) |
9980円 |
備考 | 3Gモデルあり(1万4980円、11月12日発売予定) | ディスプレイとベゼルの段差がないフラットモデル | ソニーストアでカバーとの同時購入で1000円分のクーポン付与 |
本体サイズのイメージを大ざっぱに例えると、Kindle Paperwhiteを横方向に小さくしたのがPRS-T3S、縦方向に小さくしたのがkobo Auraといったところ。最大で19ミリのサイズの違いを大きいととるかどうかは個人差がありますが、手にしたときの印象で言えば、PRS-T3Sの小ささがやや際立ちます。
また、重さでは「PRS-T3S < kobo Aura < Kindle Paperwhite」という順で、最大40グラム強の違いがあります。今年のトレンドとしては、Kobo、ソニーがカバーの利用を押し出していますが、標準的なカバー装着時ではその差はさらに開き、PRS-T3Sが優勢です。PRS-T3Sのオプションで用意されているブックカバー(ライトなし)装着時の重さで、Kindle Paperwhiteの本体重量とほぼ同じというところです。
内蔵ストレージは、Kindle Paperwhiteとkobo Auraが4Gバイト、PRS-T3Sが2Gバイト。海外でAmazonが発売しているKindle Paperwhiteの内蔵ストレージは2Gバイトですが、市場性などを考慮し、日本向けには4Gバイトモデルのみを提供します。このほか、kobo AuraとPRS-T3SはmicroSD/SDHCカードスロットを備えるので、端末だけでみたストレージはkobo Auraに軍配が上がりそうです。
なお、表には記載していませんが、CPU、RAMの観点では、いずれも1GHzのプロセッサを搭載していますが、RAMはKindle Paperwhiteが256Mバイト、PRS-T3Sが512Mバイト、kobo Auraが1Gバイトを搭載しており、これが体感の違いになって現れると予想されます(CPUとRAMについてはGood e-Reader Blogのレビューに基づく値ですが、確定情報が得られるまで表には反映しない方針です)。
搭載している電子ペーパーの世代でみると、Kindle Paperwhiteのみ最新世代の「E Ink Carta」をいち早く採用しています。これによりKindle Paperwhiteは画面のコントラストを向上させ、画面リフレッシュの頻度も章(チャプター)レベルにまで低下させています。kobo Aura、PRS-T3SはCartaの1世代前、ここ1〜2年の端末では標準的に採用されていた「E Ink Pearl」を前モデルに引き続き搭載していますが、ソフトウェア的にそれをエンハンスしており、画面リフレッシュなどを大幅に――PRS-T3Sでは最大で4時間に一回まで――削減しています。
昨年からのトレンドであるフロントライトも性能向上が図られています。Good e-Reader BlogによるKindle Paperwhiteの2012モデルと2013モデルの比較動画ではフロントライトの比較も行っていますが、2013年モデルでは、青みのない自然な光がより均等に照射されることが分かります。
これら3製品の比較動画は以下の記事もご覧ください。
これら3製品のうち、すでに発売されているのはPRS-T3Sのみ。Kindle Paperwhiteは10月22日(3Gモデルは11月12日に発売予定)、kobo Auraが12月上旬に発売予定となっています。価格は、クーポンを考慮するとKindle Paperwhite(2013)がややお得に感じられますが、純正カバーの追加購入を検討している場合は、予約限定ながらカバーとセットで提供されるkobo Auraと漸近する価格になります。
ここまで3社の新モデルを紹介してきましたが、端末はサービスの構成要素の1つではありますが、すべてではありません。全体のサービスの使い勝手なども検討しながら、お目当ての端末を決めるのがよいでしょう(eBook USERのストアガイドなども参考にしてください)。
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