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河合隼雄財団は5月16日、第2回河合隼雄物語賞・学芸賞の選考会を開催し、受賞作品を決定した。
河合隼雄物語賞に輝いたのは、角田光代さんの『私のなかの彼女』(2013年11月 新潮社)。書き手の内面を掘り下げるのではなく、他者との関係がいかに“物語”を書かせるか、という部分が見事に浮かび上がった作品に仕上がっている。
河合隼雄学芸賞には、与那原恵さんの『首里城への坂道:鎌倉芳太郎と近代沖縄の群像』(2013年7月 筑摩書房)が選ばれた。首里城復活をはじめ、琉球文化再生の立役者である鎌倉芳太郎の、寡黙で情熱を内に秘めた人生を物語性豊かに蘇らせた点に加え、周囲の人々や作者の鎌倉に対する愛にあふれている点が受賞理由となった。
同賞は、臨床心理学者であり、京都大学の名誉教授などを務めた河合隼雄さんの意思を継ぐ河合隼雄財団が、2012年7月に設立したもの。第1回では、物語賞に西加奈子さんの『ふくわらい』が、学芸賞に藤原辰史さんの『ナチスのキッチン』がそれぞれ受賞している。
授賞式7月4日を予定。各賞受賞者には賞金100万円が贈られる。なお、受賞の言葉や選評は7月4日発売の『考える人』2014年夏号誌上で発表されるという。
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