認知度高く、利用に意欲的――研究者を対象とした電子書籍利用に関する調査
調査は大学・企業・病院などの研究に携わる研究者・教員・学生が対象。ここでいう電子書籍は、英文学術書の電子版に限定される。
STM(科学・技術・医学)分野の専門書籍を出版しているシュプリンガー・ジャパンは6月10日、日本の研究者を対象に行った電子書籍(英文学術書の電子版に限定)に関する認知度および利用行動調査をまとめた「イーブック白書」を公開した。
同調査は大学・企業・病院などの研究に携わる研究者・教員・学生を対象に2013年3月1日〜11月30日の期間に行われたもの。回答方法はWebサイトやEメールなど。有効回答数は1174人で、そのうち60%が大学研究・教員、16%が学生となっている。
調査は大きく3つの設問に分かれており、1つ目はイーブックの認知と利用について。2つ目はモバイルデバイスの所有や利用について。3つ目はシュプリンガーのイーブックに関連する、出版やプラットフォームについてフィードバックを求める内容になっている。
調査結果を見ていくと、イーブックの利用経験は「利用したことがある」「利用したことがない」ともに49%の同数。利用方法は、「キーワードで検索したり、ヒットした部分を拾い読みする」がトップになっているほか、イーブックのどのような機能・特色が便利だと思うかという設問では「全文(フルテキスト)を検索できる」がトップとなっている。これは調べ物が多い研究者を対象としたことが要因だと考えられる。
また、スマートフォンやタブレット端末を「所有している」と回答した人の割合は78%で、そのうちモバイルデバイスでジャーナル論文やイーブックを「利用したことがある」と答えた人の割合は73%だった。
さらに、今後1年間にイーブックを利用したいかという設問では、92%の人が「利用したい」と回答し、自分でイーブックを購入したいかという設問では、「今後ほしいイーブックがあれば購入したい」が634人と最も多く、そのうち半数は「既に購入」しているという結果になった。
調査の詳細は、シュプリンガー・ジャパンのサイトで閲覧できる。
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