Koboとソニー、新たな電子書籍リーダーで協力か?
漏えいした文書を目にしたというGood e-Reader。そこには、Koboとソニーが共同ブランドで電子書籍リーダーの開発に取り組んでいるとあったそうだが果たして……。
Koboとソニーは非常に奇妙な縁でパートナーになったが、彼らはここ4カ月でゆっくりと互いにより多くのビジネスを行うようになった。
今年初め、北米市場のReader Storeは公式に閉鎖され、購入されたすべての電子書籍はKoboに移管された。ソニーが出荷したReader端末のうち幾つかは、ファームアップデートによりKoboのストアからコンテンツを直接入することができるようになっている。
われわれが目にした漏えいした文書によると、KoboとソニーはE InkのMobiusテクノロジーを使用して、共同ブランドの電子書籍リーダー開発に取り組んでいるという。
E Ink Mobiusは、その軽量性と高解像度が、電子書籍リーダーにもよくフィットする。ソニーとE Inkは、この新電子ペーパーの開発で協力しており、これまでに13.3インチのソニーの電子ペーパーを商用リリースしている。ソニーがE Inkとの独占契約を締結しているので、ほかの企業はこの技術を使用した製品をリリースしていない。
漏えい文書は、E Ink Mobiusを6インチディスプレイ向けにカットして使用する共同ブランドの電子書籍リーダーを示している。Mobiusは顧客が望む任意の大きさに切断することができると、E InkはSID Display WeekでGood e-Readerに認めている。
その電子書籍リーダーのデザインは物理ページターンキーとそのほかのボタンを備えたソニーPRS-T3にかなり似ている。ディスプレイ周りはKobo Auraに似ており、ベゼルの段差をなくしたフラット¥スクリーンとなっている。
文書に記述はなかったが、筆者は、このデバイスがCartaとRegalの両方の技術を利用することになると感じている。E Ink Cartaは、以前の世代の電子ペーパーと比較してコントラストが高く、直射日光下でも非常に読みやすい。
新電子書籍リーダーはKoboと提携して、ソニーが製造し、全世界で販売される。ファームおよびOSは、ソニーが開発・維持し、Reader SotoreまたはKoboのストアを使用することになる。
これ以上の情報は文書には示されていなかった。ソニーはAndroid OSを使用しており、Koboの電子書籍リーダーは従来Linuxベースとなっている。Koboから若干のサポートを得て、ソニーが開発を行うと考えられている。このデバイスはソニーPRS-T4、あるいは新たな名前が与えられるのだろうか。前のソニーのモデルに倣って9月にリリースされるのだろうか。
これはソニーにとってファインプレーとなるかもしれない。同社は、電子ペーパーと同じく、ほかの小売業者を通じてハードウェア販売することで確実に販売マージンを獲得できる。T1・T2・T3の電子書籍リーダーにKoboのブックストアが組み込まれれば、Koboは本が販売されるごとにソニーに手数料を支払うことになる。これにより北米で別々のストアを維持し、出版社へ広告するコストが削減される。また、最近記憶する限りで、ソニーの電子書籍リーダーは、同社の13.3インチモデルのリーダーほどバズっていない。このことはPDFだけでなくEPUB形式を読み込める6インチのコンシューマー向けモデルを開発するようソニーを駆り立てた。
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