2004年から電子書籍と電子書籍リーダーを販売しているソニー。同社は電子書籍市場の開拓に着手した最初の大手企業だった。その数年にわたる成功と失敗を教本とし、Amazon.com、Barnes & Noble、Koboがこのレースに参戦し、すぐに市場に影響を与えた。
ソニーは結局、電子書籍リーダーの価格低下で採算が合わなくなり、市場から撤退した。同社は2014年2月、(北米・欧州の)電子書籍事業をKoboに移管すると発表している。
Koboはこれまで、正式発表文を除いてソニーとの取引について沈黙してきたが、同社のマイケル・タンブリンCCOがGood e-Readerにすべてを語ってくれた。
「北米のソニーの顧客をKoboに迎えられて大変嬉しい。移行してきたユーザーは、Koboの小売りエコシステムや書籍の推奨システムに非常に興味を持っている。われわれはソニーとの提携と移行してきた顧客の質の高さに満足している」(タンブリン氏)
タンブリン氏は、ソニーがReader Storeを閉店し、既存の顧客をKoboに移管していることに言及した。ソニーのPRS-T1、T2、T3など現行のすべての電子書籍リーダーはファームウェアアップデートによりKoboのストアが利用可能になっている。既存のソニーの顧客には、この大規模な変革の前にKoboへの移行方法を説明するメールが届いていた。
「ソニーとKoboの協力関係は、2つの点で成功している。われわれは、顧客のデジタル蔵書へのアクセスと新たな電子書籍購入について気を配っている。われわれの(この提携を実施した)主たる動機は、電子書籍市場の既存の企業に代わって顧客が新たに電子書籍を購入できるようにすることだ」とタンブリン氏は説明した。
だが、すべての顧客がソニーのReader Storeの閉鎖とKoboへの移行を喜んでいるわけではない。Jeff Pは最近、次のように書いている。「ひどい! ひどい! ひどい! 私は2007年11月からの(ソニーストアの)会員だ。私が持っているすべての電子書籍リーダー端末とタブレットはソニー製だ。ソニー製品を購入する際、店員に延長保証を勧められてもソニー製品だから必要ないと断ったこともある。うちにある電化製品のほとんどすべてがソニー製品だ。でももう、金輪際ソニー製品を買わない。ソニーよ、お前は“顧客第一”と言うが、私に言わせればお前はひどいミスを犯した。私はもう、絶対に、永遠に、ソニー製品は買わない」
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