オランダの電子書籍中古オークションベンチャーのTom Kabinetと同国の出版社団体は、デジタル古書の概念について衝突してきた。両陣営は過去数カ月ほど法廷での争いを続けており、2014年12月23日に判決が下される予定だったが、クリスマス休暇のため、2015年1月13日まで延期されている。
アムステルダム地方裁判所は2014年7月に法廷闘争中はTom Kabinetの営業継続を認める判決を下している。ただし、出版社団体側はTom Kabinetが著作権を侵害していると確信しており、その確証も持っているようだ。彼らの独自調査によると、Tom Kabinetで販売されている電子書籍の9割はtorrentサイトからダウンロードされた海賊版だという。
Tom Kabinetの主張は、欧州連合(EU)司法裁判所が2012年に米Oracleと独UsedSoftの訴訟で下した判決を基にしている。この判決では、“中古”ソフトウェアのライセンスの再販は合法であり、そうしたソフトウェアの製作者はいかなる再販をも妨害できないというものだった。
Tom Kabinetのビジネスモデルは、買い手と売り手の間に立つファシリテーターとして振る舞おうとするものだ。それぞれの取引から手数料を受け取り、電子書籍にはその作品が公式に転売されたことを出版社が確認できるよう電子透かし(ウォーターマーク)を埋め込むというものである。この機能は現状オランダ国内のみとなっているが、判決次第では2015年にほかの国にも広がり得るだろう。
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