電子書籍取次を手掛けるメディアドゥは4月8日、電子図書館プラットフォームの世界最大手、米OverDriveとの戦略的業務提携の下で進めてきた電子図書館サービス事業を、この4月に本格的にスタートしたと発表した。
両社は2012年に業務提携を発表。2014年5月13日には戦略的業務提携を発表し、OverDriveがメディアドゥ代表取締役社長の藤田恭嗣氏から一部株式譲渡を受けるなど、資本面にまで踏み込んだ提携を行っていた(関連記事)。
現在は、サービスを検討している関東圏を中心とした公共の図書館、大学図書館においてサービス開始に向けた準備を進めており、サービス開始時に利用可能な電子書籍の選書や、サービスの詳細なルール、1年を通したイベント企画についても最終検討の段階にあるという。
また、2016年4月の施行が予定されている「障害者差別解消法」に合わせ、障がい者に配慮した公共図書館サービスを検討している図書館に対しても、電子図書館サービス導入の準備を進めているという。
OverDriveは3月19日、10億米ドル規模の電子書籍ビジネスの創出を目指すという楽天により買収が発表されている(関連記事)。このことに関してメディアドゥは「楽天グループと、事業連携や推進体制等についての協議を進めており、これまで想定していた事業展開スピードを加速できる可能性があると期待しております」とし、進捗については、今後詳細が決定次第発表していくとしている。
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独占的な「OverDrive Japan事業」として展開。
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