故・黒川紀章の傑作「中銀カプセルタワービル」保護目的の出版プロジェクト始動
故・黒川紀章さんが設計した、銀座8丁目にある集合住宅「中銀カプセルタワービル」の保存・再生に向けて、クラウドファンディングでビジュアル・ファンブック出版プロジェクトが始動した。
故・黒川紀章さんが設計した集合住宅「中銀カプセルタワービル」のビジュアル・ファンブック出版プロジェクトが、クラウドファンディングプラットフォーム「MotionGallery」でスタートした。
銀座8丁目にある中銀カプセルタワービルは、シャフト(幹)に対して丸窓のついた立方体の部屋を取り付けた、カプセル型の集合住宅。各部屋は、必要に応じて取り外し・交換ができるように設計されている。その類いまれなる設計センスで国内外から高い評価を得てきたが、1972年の竣工から今年で43年が経過。設計時に考慮されていたカプセルの交換は一度も行われておらず、老朽化により保存と建て替えの間で意見が揺れている。
そこで中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトでは、中銀カプセルタワービルを今後も末永く大事に使い続けると同時に、世界に誇れる建築遺産として保全していくため、オーナーや管理組合/管理会社へ働きかけ、保存に向けた運動の一環として、カプセルの優れたデザインや、カプセルの住人たちの生活ぶりを紹介する書籍の出版を企画した。クラウドファンディングには出版制作費の調達以外に、中銀カプセルタワービル自体をより広く知ってもらい、保存に対する関心を喚起していく目的もあるという。目標金額は150万円。
今回の書籍で目指すのは、図面や施工写真からは見えてこない住人目線の“生きたカプセルの記録”を形にして残すこと、そしてカプセルの活用法紹介を通じて現代人へのライフスタイル事例を提案すること。プロジェクト成立後には全国書店での販売も行われる(今秋予定、予価2000円)。書籍の編集・発行は、美術書などを手掛ける青月社が担当する。リターンについては、書籍『中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟(仮)』や特製グッズを用意する予定だ。
(出典:「中銀カプセルタワービル」書籍化プロジェクト)
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