――その城壁の頂きに恐る恐る檸檬れもんを据えつけた。
これは、小説家・梶井基次郎の短編小説『檸檬』の一節。城壁というのは、小説の主人公である「私」が書店で積み上げた本のことで、えたいの知れない不安に襲われていた私を、果物屋で手に入れた1個の檸檬が救い出す様子が描かれている。
その物語の舞台となった書店「丸善 京都本店」が8月21日、商業施設「京都BAL」の地下1階・2階にオープンした。
丸善 京都本店は、京都地区最大級となる1000坪の売り場面積、蔵書数100万冊を誇るカフェ併設型の書店。地下1階に文芸・実用・文庫・新書・コミック・学習参考書・児童書・雑誌・文具を、地下2階に理工・医学・人文・芸術・社会・PC・語学・洋書を展開する。
カフェは地下2階にあり、限定メニューの「檸檬ケーキ」や、丸善の創業者が考案したとされるハヤシライスなどを提供する。なお、購入前の本を持ち込むことはできない。
京都における丸善は、1872年に開店した「京都支店(丸屋善吉店)」が初の店舗。その後、1907年に三条通麩屋町で新たに開店し、同店が小説「檸檬」の舞台となった。
1940年に河原町通蛸薬師へ移転し営業を続けていたが、2005年に閉店。その際には、「檸檬」をまねて本の上にレモンを置く人が続出して話題となった。なお、レモンを持参することは可能だが、本の上に置くことはできず、専用のカゴに入れることになる。
グランドオープン記念として、1000円(税込)以上購入した人先着1500人に丸善 京都本店オリジナル文具を、2000円(税込)以上購入した人先着1万人には丸善 京都本店オリジナル「檸檬ノヲト」をプレゼント。さらに店内では、「檸檬」にちなんだ黄色い文具セットなどのオリジナル商品を販売している。
丸善 京都本店
店舗:京都市中京区河原町通三条下ル山崎251
京都BAL 地下1階・2階
営業時間:午前10時〜午後8時
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