経済成長が見込まれるインドネシアで、11月1日から日本のマンガを中心に配信する電子書店「MangaMon」がオープンする。日本で電子書店「eBookJapan」を運営するイーブックイニシアティブジャパンと、インドネシアのメディア企業グループ「コンパス・グラメディアグループ」傘下企業の事業提携により実現した。
イーブックイニシアティブジャパンは、コンパス・グラメディアグループ傘下のELEX、M&Cと6月に事業提携を発表、インドネシア語に翻訳された日本のマンガの配信事業に向けて準備を進めていた。
コンパス・グラメディアグループは、インドネシア最大の日刊紙「KOMPAS」、テレビ局「KOMPAS TV」などを擁する巨大メディア企業グループ。グループ内に7つの出版社を抱えるほか、122店舗の書店も経営。同国最大の出版社で、最大の書店経営社でもある。傘下のELEXやM&Cは、ライセンスを受けて日本のマンガを同国で数多く刊行している。
インドネシアでは海賊版が正規のマーケットを食っている部分がある。MangaMonでは、インドネシア語に翻訳された日本のマンガを正規に提供す。配信事業だけでなく、日本のポップカルチャーなどの情報発信やユーザー参加型の企画なども併せて行うサービスとして、正規版の価値を訴求していきたい考え。また、長期的には教育事業でのこうしたコンテンツ活用も視野に入れているようだ。
MangaMonのオープンに先立ち、9月25日から27日にかけて開催される東南アジア最大の日本のポップカルチャー&アニメイベント「AFA 2015 INDONESIA」に出展、MangaMonの体験ブースを展開予定。また、MangaMonのオープンに合わせ、日本のマンガやアニメ作品をテーマにし、原画や貴重な制作資料などを展示する「コンセプトカフェ」も開店予定としている。
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