大規模Javaアプリ開発ツール市場での勝負はこれからと強気な米ウェブゲイン

【国内記事】 2001.06.04

 米ウェブゲインは米国時間の6月4日に始まる「JavaOne」カンファレンスで,大規模企業向けのe-ビジネスアプリケーションの作成,統合および継続的なカスタマイズを可能にするいくつかの新製品を発表する計画だ。この発表により同社は,企業がビジネスチャンスを逃すことなく,新たな市場に迅速に参入できる仕組みを提供するという。

米ウェブゲインのワールドワイドマーケティング担当上級副社長,ステファン・ディフランコ氏

 米ウェブゲインのワールドワイドマーケティング担当上級副社長,ステファン・ディフランコ氏は,「Java開発ツール市場では,ボーランドのJBuilderが大きなシェアを持っていると言われているが,これは中小規模のJavaアプリケーション開発市場でのこと。われわれが提供するスイート製品は,大規模なe-ビジネスアプリケーションを開発するためのもの。この市場は,まだまだこれから成長する市場だ」と話す。

 JavaOneカンファレンスで発表が予定されている製品は,Javaアプリケーション開発ツールの新バージョン「WebGain VisualCafe 4.5」とJavaアプリケーション設計ツールの新バージョン「WebGain StructureBuilder 4.5」およびJavaコンポーネント連携ツールの新製品「WebGain Application Composer」とビジネスプロセス管理ツールの新製品「WebGain Business Designer」の4製品。

 これらの新しい製品の最大の特徴は,すべての製品でグラフィックユーザーインタフェース(GUI)が統一され,同様な使い勝手ですべての製品を容易にシンクロナイズすることが可能になっていることだ。これにより,Javaベースの大規模なe-ビジネスアプリケーション開発および管理を,上流から下流まで包括的に実現することができるという。

 新バージョンであるWebGain VisualCafe 4.5は,包括的なJSP(JavaServer Pages)のサポートやBEAシステムズのアプリケーションサーバの新バージョン「BEA WebLogic 6.0」をはじめ,HPのBluestonやiPlanetのアプリケーションサーバをサポートする。

 また,WebGain StructureBuilder 4.5は,オブジェクト・マネージメント・グループ(OMG)が標準化を進める分析・設計表記法である統一モデリング言語「UML」(ユニファイド・モデリング・ランゲージ)対応が強化され,Javaコンポーネントをより効率的に開発することが可能になっている。

 一方,新製品のWebGain Application Composerは,ビジュアルなオーサリング環境を利用することで,包括的なJavaコンポーネントアセンブル(組み立て)により,大規模Javaアプリケーションを容易に実現することを可能にする新しい製品。同製品は2000年7月に買収したザットの製品を統合したものだ。

 さらに,WebGain Business Designerは,マイクロソフトのビジネスグラフィックスプラットフォーム「Visio」のようなインタフェースを利用して,ビジネスをプロセスとしてとらえ,デザインすることで,ビジネスの要件をアプリケーションライフサイクルに容易に組み込むことを可能にする。

 同社は,製品群のインタフェースを統合するだけでなく,「IDEツール」「ビジネスデザイン」「コンポーネントアセンブリ」の3つのサービスで構成される,エンド・ツー・エンドのアプリケーションライフサイクル上にそれぞれの製品を配置する。

「このアプリケーションライフサイクルに対応した包括的なスイート製品を利用することで,e-ビジネスアプリケーションの開発ステップを効率化し,迅速に行うことが可能になる。またコンポーネントやアプリケーションの管理も容易になる」(ディフランコ氏)

 今後は,WebGain Studio製品群を中核にして,コラボレーション情報をリポジトリに格納することで効果的なコンポーネント管理を可能にし,より包括的で効果的なアプリケーションライフサイクル管理を実現することができる新しい製品の提供も計画しているという。

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▼ウェブゲインジャパン

[山下竜大 ,ITmedia]