クリックアレイ,サーバ負荷分散など7つの機能を持つアプライアンス「Arrayシリーズ」を日本市場に投入

【国内記事】 2001.06.05

 米クリックアレイネットワークスは6月5日,サーバ負荷分散(SLB)など7つの機能を小さなきょう体に詰め込んだ新製品「Arrayシリーズ」を販売代理店を通して日本市場に投入すると発表した。同社は,2000年4月にシスコシステムズやアルテオンウェブシステムズ出身の技術者が集まって設立されたばかりのベンチャー企業。この製品は,同社が初めて送り出すもので,米国では既に20社が導入検証作業に入っており,日本でも大阪めたりっく通信など数社が試験導入を進めているという。

 Arrayシリーズは,SLB,プロキシキャッシュ,Webセキュリティ,クラスタリング,SSLアクセラレータ,広域負荷分散,コンテンツデリバリーの7つの機能を1つのアプライアンスに統合したレイヤ7Webアプライアンス製品。キャリアやサービスプロバイダー,インターネットデータセンター事業者向けに出荷される。製品ラインアップとして,小規模なWebサイト向けのArray 500と,中規模から大規模のWebサイト向けの同1000の2種類が用意されている。

 Array 500は,50Mbpsのスループットで,1秒当たり200のSSLセッション処理が可能。2基をクラスタリングできるため,最大100Mbpsのスループットに拡張できる。

 ハイエンドのArray 1000は,500Mbpsのスループットを実現し,1秒当たり500のSSLセッションを処理できる。最大32基のクラスタリングが可能で,最大16Gbpsのスループットで3200万の同時接続にまで拡張できる。さらに9月のリリースが予定されている新バージョンでは,600〜800のスループット,150万〜200万の同時接続が可能になるという。

 シスコ出身で同社のCEOを務めるローレンス・ルー氏によると,米ヤフーは6Gbps,マイクロソフトは4Gbpsの帯域を準備しており,16Gbpsという帯域は,「現在のところ,顧客のニーズを十分に満たすことができる」(同氏)規模という。また,3200万の同時接続は,日本のiモードユーザーがすべて同時にアクセスしても耐えられる規模となる。

 同氏は,「われわれが先行して製品の開発をはじめたマーケットに,シスコ,ノーテルネットワークス,エクストリームネットワークス,ファウンドリネットワークスなどの大手,そして多くのベンチャー企業が参入してきた。われわれの目の付け所が正しかったことが証明されたと考えている」と話す。

 また,この製品の特徴は,管理のしやすさにもあるという。さまざまなベンダーから機器を購入し,それらを1つのネットワークシステムとして利用するより,Arrayシリーズを導入してサポートしてくれるポイントを1つにまとめてほしい考えだ。

「シスコでファイアウォールを担当していたとき,顧客からの問い合わせがあると,本当に私の担当する機器によるトラブルなのかどうか分からなかった。Arrayシリーズを導入してもらえば,確実にわれわれが最適なサポートを提供できる」(ルー氏)

 なお,この製品を導入したい企業が,Arrayシリーズにも搭載される,SSLアクセラレータなどの機器を別途利用している場合でも,Arrayシリーズの特定機能をオフにしてしまえば,問題なく動くという。

 国内の販売代理店となるソリトンシステムズ,日立システムアンドサービス,丸紅ソリューションの3社を通して7月上旬をめどに出荷を開始。丸紅ソリューションは,6月6日から日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開催されるNetworld+Interopショウの同社ブースで出展する。

 価格はオープン。

関連リンク

▼クリックアレイネットワークス

▼ソリトンシステムズ

▼日立システムアンドサービス

▼丸紅ソリューション

[井津元由比古 ,ITmedia]