エクストリーム,AlpineシリーズにVDSLとT1 WANモジュールを投入

【国内記事】 2001.06.07

「Networld + Interop 2001 Tokyo」ショウの2日目となる6月7日,イーサネットを利用したネットワーク構築事業を展開するエクストリームネットワークスが,データセンターおよびMAN(Metropolitan Area Network)対応のレイヤー3スイッチ「Alpine シリーズ」対応の,VDSLおよびWANの新モジュール「FM-8Vi」「WM-4Ti」を発売することを明らかにした。

 これにより,電話回線上などで拡張されるWAN(Wide Area Network)においても,高速なイーサネット網を提供できるという。

 同社は現在,ブロードバンドに向けて,イーサネットを使ったネットワークの構築を行う「Ethernet Everywhere」を強力に推進している。

 同社のポール・デザン副社長は,「われわれは,中高速インターネット市場では,FTTH(Fiber To The Home)を支援しているが,FTTHは施設可能エリアが例えば都市部に制限されるなどのマイナス面がある。それを補完するソリューションとして,VDSLを選択した」と話す。

 FM-8Viは,VDSL伝送によって,ビル内などのアクセスネットワークに長距離イーサネットを実現するもので,2500フィート(約762メートル)までのデータ転送を可能にするという。各VDSLポートは,イーサネットパケットを電話線上に伝送し,同社のCPE製品「Mogul 100」にデータを最終的に転送する。イーサネットは,エンドツーエンドでリング上のVLANタグとMAC(Media Access Control)アドレスを保持する。

 Alpineに,このVDSLモジュールを搭載することで,単一のシャーシで,電話線やCat3以上のツイストペア線などに,10Mビット/100Mビット/1ギガビットと同等のスループットを提供できるとしている。

 一方,WM-4T1は4ポートのT1モジュールで,Alpineを利用してWANへのアクセスを実現するもの。光ファイバーケーブルが施設されていないビルにもイーサネットを引き込めるという。

 同社は,イーサネットをあらゆるネットワークに提供する方針を持っている。これらの新モジュールを使うことで,LANから始まり,アクセスやMAN(Metropolitan Area Network)まで,ファーストマイル内に張りめぐらされる従来のWANインフラや電話回線上に,イーサネットを提供できるとして同社はアピールしている。

 なお,価格は,FM-8Viは84万円,WM-4T1は108万円,Mogul 100は9万8000円となっている。

N+I展示会でのエクストリーム

 N+I展示会場のエクストリームの展示ブースでは,同社が提唱するイーサネットソリューションの優位性を紹介する内容になっている。

N+I展示会に設置されたエクストリームのブースでのセミナーの様子

 ブースでは,イーサネットを利用したネットワークのメリットが紹介された。同社が強調していたのは,イーサネットは既にLANとしてはほとんどのシステムに採用されており,これをWANやMANに広げる同社のソリューションならば,新しい技術を特別に習得する必要がないということ。また,将来的に10ギガイーサネットが登場した場合にも,対応が容易であることも挙げた。

関連リンク

▼エクストリームネットワークス

▼N+I Tokyoの公式Webサイト

[怒賀新也 ,ITmedia]