パフォーマンスの高さを特徴とする「NetScreen」,IPv6への対応も進行中

【国内記事】 2001.06.08

 米ネットスクリーン・テクノロジーズの主力製品は,オールインワンタイプのファイアウォール/VPN製品「NetScreen」シリーズだ。同社は「Networld + Ineterop 2001 Tokyo」ショウの開催に合わせ,エントリーモデルの新製品「NetScreen-5XP」を発表,同社ブースで展示している。

 ブロードバンド回線の普及を背景に,セキュリティ製品に対する需要は高まっている。ベンダー側も当然こうしたニーズを承知しており,導入や設定を簡易化した,アプライアンス型のファイアウォール製品が豊富に提供されるようになった。いわば激戦区だ。

 ネットスクリーンの太平洋地域マネージング・ディレクター,ハンセン・チャン氏によると,同社の強みは,専用ASICによる高速な処理能力にあるという。今回発表されたNetScreen-5XPは,SOHOや小規模オフィスをターゲットとした製品だが,3DES暗号化処理を行いながら,10Mbpsのスピードをフルに出せるパフォーマンスを備えている。また,独自開発の専用OSを基盤としているため,ファイアウォール自体のセキュリティが堅牢であることも魅力の1つだ。つまり「スピード」「シンプル」「セーフティ」という3つの「S」を実現するのがNetScreenシリーズの特徴といえる。

 一方で同社は,大規模エンタープライズやデータセンター向けのラインアップ「NetScreen-1000」「NetScreen-500」も提供している。こちらは電源の二重化や冗長化構成,ロードバランシングをサポートし,アベイラビリティを高めたハイエンド製品となる。特にNetScreen-1000は,1分間に2万以上のセッション管理が可能という高い性能を特徴としており,ギガビットイーサネット環境でも透過的に,ワイヤスピードを実現する。すでにYahoo! Japanなどの大規模サイトや多くのキャリアでの採用実績を持つ製品だ。

 チャン氏は,業界に先駆けてASICベースのファイアウォール製品を投入してきたことを強調すると共に,今後も新たな機能に向けて開発を続けていく方針を明らかにした。具体的には,VoIPやビデオストリーミングなどをサポートする機能を追加し,そのためのファイアウォール制御プロトコルを開発,業界標準として提案している。またIPv6への対応も進めており,IPv4とIPv6のゲートウェイ機能を搭載した新製品を,2002年をめどに市場に投入する計画だ。

関連リンク

▼ネットスクリーン・テクノロジーズ

▼N+I Tokyoの公式Webサイト

[高橋睦美 ,N+I Magazine]